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あのこは貴族のあんずのレビュー・感想・評価

あのこは貴族(2021年製作の映画)
4.0
現代における日本の階級がテーマの映画は観たことがなかったので、興味深かった。ご縁のない貴族の暮らしを垣間見れた。

華子が乗るタクシーからの車窓を何度も観る。都内で自家用車のようにタクシーを使う姿は、まさに貴族👸
華子演じる門脇麦の声がとても可愛くて、発声や発音が綺麗で、ややゆっくりと丁寧に言葉を発する姿は育ちの良さを感じた。「麒麟がくる」の彼女も良かったけれど、あちらはキリリとした発声だった(と記憶している)から、そこから変えている所は素晴らしい❗

水原希子演じる美紀は、もっとハングリー精神溢れるギラギラした女性かと思っていたら、とても優しくて賢い人。身の程をわきまえているっていうのかな。でも、諦めているわけではなくて。
都内の移動は自転車で、2ケツもする。
ただ、美紀が華子との出会いによって変化した部分が、華子に比べて分かりにくかったのが残念。

この2人を観ていて、そっくりな友達はいないけれど、部分的に似ているところのある友達の顔が浮かんだ。中でも議員の奥さんになった友達は元気にしているかな?と気になった。

雨雨雨雨雨雨…☔これでもかって言うくらいの雨シーンは、トップオブ貴族の幸一郎が雨男だから。そこまで降らせるには、意図があるのかと考えてみると、天気ばかりは、貴族も平民も総理大臣だって変えることは出来ない。幸一郎は、容易には変えられない運命の元に生まれて来た人として描かれていたように思う。

一方、華子は美紀と話した帰り、タクシーに乗らず、歩き出す。このシーン、すごく好き💖

美紀や山下リオ演じるその友達の口から、名言が飛び出す。
そうだよね、やっぱりそうだよね~と共感して気持ち良く映画館を後にした。
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