MMM

あのこは貴族のMMMのネタバレレビュー・内容・結末

あのこは貴族(2021年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

日本社会は何層もの階級で分けられてる。金持ちと貧困っていう二項対立じゃなくて、ほんとうに何層にも。

ミキだって決して貧困家庭ってわけではなかったと思う。本当に貧乏だったら大学、ましてや慶応なんて行く発想すらないと思う。
この映画は東京を舞台にして、同じ東京に住んで、ぎりぎり関わりのあるぐらいの階級の人同士の生活を描いた物語だと思った。本当に貧乏な家庭の人は、華子や青木家とは一切関わりなく生きていくんだと思う。だって同じ金持ちの中でも階級があって、住み分けされてるんだから貧乏人と出会うはずがない。

お金持ちとそうじゃない家庭、どっちが幸せとかじゃなくって、どっちの家庭も幸せなこともあるし不幸せなこともあるってことがこの映画のメッセージなんだと思う。でも華子が最初から最後まであんまり幸せそうじゃなかったな。幸一郎と初めて会った時のドキドキを返してほしい。まじで結婚するまでがピークだった。

それに対してミキは大学辞めてホステスで不本意に働いてた時に比べて、友達と起業してってどんどん幸せそうになっていく。

ああ、幸せになるタイミングまで対照的に描かれているのか(今気づいた)

タクシーと自転車、お正月の過ごし方、車の窓から見る景色、結婚式、撮っている写真、徹底的に対比されていく。

今の日本にあんな貴族みたいな家庭あるのか?って思った私は凡人なんだなあと見せつけられた気がした。

水原希子が田舎者ってミスマッチじゃないか?って見る前は思ってたけどめっちゃ納得のキャスティング。ただの田舎者じゃなくて、ちゃんと都会に染まった田舎者だった。門脇麦はほんとにお嬢様にしか見えなかったし、高良健吾は政治家の顔してた。

映画として盛り上がりの場面があるわけじゃないけど、なんだか惹き込まれる。

華子は幸一郎が嫌いになったんじゃなくって、ただ窮屈な生活から抜け出したかったんだろうな。最後、2人は復縁するのだろうか、、、?
MMM

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