自分の今いる周りだけが、この世の世界だと思っていた頃は、疑問すら持たず、当然の様にそれを受け入れている。
自分が一個の人間として生きたいと思うのは、これまでの環境や立場等によって、早いか遅いかの違いかもしれない。
女性監督作品らしく女性ならではの生きにくさや『女性あるある』を実に繊細に表現されていて、とても面白かった。
しかし、見終わってから、妙にモヤモヤする。
ラストで主人公が離婚に至るまでの苦悩や葛藤をみせてくれた訳でもなく、夫が浮気をしたとか、自分に好きな人が出来たとか、お金に不自由してるとか…そういった理由もないのに、どうして離婚したのだろうか？
自分の足で立つ為という理由にしては気概を感じられない。
お金も時間もあるんだから、離婚しないでそのままそれを仕事と割りきって、出来る事をすれば良かったのではないか…
そこそこの年月、人生を生きてきた私としては、この結末に残念ながら中途半端な絵空事を感じてしまった。
いやまてよ…
華子さんは、バイオリニストの彼女の事が好きだったから…なんていう理由があったのかも？
そしたら、府に落ちるけど。
どちらにせよ、感情表現炸裂の刺激的な映画が多い中で、久しぶりに冷静過ぎるクールな映画を観た気がする。
