花俟良王

あのこは貴族の花俟良王のレビュー・感想・評価

あのこは貴族(2021年製作の映画)
4.5
コミカルなタッチを想像していたので肝の据わった重厚感に驚かされた。キャストが誰一人悪目立ちしないバランス(水原希子の采配!)で無理なく東京の聖域へと誘ってくれる。成長譚としてはお馴染みだが、監督の原作読解センスが気迫と共に貫かれ、大変な見応えとなっていた。

「東京には地方民がどんなに頑張っても入れない場所がある」とか「東京では庶民と上流階級は出会わないようになっている」とか、山崎豊子(華麗なる一族!)好きのシニア層も大喜びの説得力あるフレーズが粛々と飛び交っててゾクゾクした。
花俟良王

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