あのこは貴族のYuhmingのネタバレレビュー・内容・結末

静かな胸苦しさがつづく映画。
原作未読なので、門脇麦さんが東京の上流階級で水原希子さんが田舎から出てきた苦学生なのはイメージが逆に思えていたけれど、だんだんしっくり来てお二人はすごいなと思った。
幸一郎に一目惚れするシーンはとびきり美しく、ニケツのシーンはとても楽しく、静かだけれど映像がわかりやすく入り込みやすかった。華子の父がウェディングドレス姿にずっとにこにこしてるのも好き。
対外的に明確な理由がないまま両親も手をついて離婚のお願いにあがるのはなんだかんだ娘が大事なことが伝わってきて、幸一郎の家との違いを感じる。
華子の家は羨ましいと思うけれど、幸一郎の家はそうとも思えず、「そう育った」ある種の不幸が悲しい。

華子がマネージャーのようなことで生きていけるのはやはりお金があるからだなぁとは思うが、結局それぞれがそれぞれの立場にいるまま各々の道を歩いて行くのは、観ながら静かにそうか〜と思う落とし所。
ラストは最初に想像していたより穏やかで、上品で美しく終わったのもまたなんとなく貴族的。