ドS文筆家あんじゅ

マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙のドS文筆家あんじゅのレビュー・感想・評価

4.0
イギリス映画で凄いなぁと思うのは、まだまだ存命の関係者が大勢いるであろう歴史的人物の伝記映画をサクサク作れてしまうところ(『ガンジー』、『英国王のスピーチ』、ネトフリの『ザ・クラウン』等)。我が国でおなじことやったらいろいろ揉めそうなんだけど、単にエンタメに理解のある国民性だからなのか、根回しが周到なのか。

あまり良いイメージを持っていなかったサッチャー元首相の伝記映画だけど、悲劇のヒロインとして祭り上げるのではなく、ファンタジー要素も交えながら事実を淡々と積み上げるドキュメンタリー寄りの作品に引き込まれた。

米国人にとって難しいであろうRPを完璧にマスターし、さらにはサッチャーさんの癖のある喋り方や立ち振る舞いまで完璧にコピーしたメリル・ストリープは化け物(良い意味で)。夫役を演じた名優ジム・ブロードベントも当たり前だがすごい。ブリジットジョーンズのお父さんだったときとぜんぜん違う(当たり前)。