ベルベー

青春の殺人者のベルベーのレビュー・感想・評価

青春の殺人者(1976年製作の映画)
3.8
エグい暗い悲しい。主人公が両親を惨殺することに納得できる理由は存在しない。ただなんとなく殺っちゃった、みたいな。その取り返しのつかなさを描くドロドロ青春奇譚。

一番凄いのは父親殺しの息子と無理心中しようとする凄まじい形相の市原悦子。てかそれ以前に夫殺した息子とやろうとするって…何??もう全部が常軌を逸してて怖いんだけど、市原悦子迫真の演技で無理やりそういうものと納得させられるのでありました。「痛くしないでね…涙」→「痛いわ!!痛いわクソが!!」の件なんでもうギャグに突入しているわけだけど、いや怖笑うわ。

なんだけど主役2人もいいよね。自分以外興味ない、ひたすら自己憐憫に酔っている水谷豊と、終始調子が外れてる原田美枝子。どこまでが芝居でどこまでが演技なのか、多分半分くらいは素が入っちゃってるのが迫真さに繋がってると思う。

しかし原田美枝子、別に石橋静河に似てないな若い頃。それはそれとして17歳でここまで体張るのも凄い。撮影現場が辛すぎたから本作観たことがないっていうエピソードは辛い。
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