青春の殺人者の作品情報・感想・評価

「青春の殺人者」に投稿された感想・評価

Uえい

Uえいの感想・評価

3.5
実際の事件を元にした映画の中ではかなりクオリティが高い。事件のショッキングさだけでなく、主人公の感情が繊細に描かれている点が素晴らしい。砂浜で泣いているシーンは心に残った。この作品は、石井聰互監督や、冷たい熱帯魚に与えた影響は少なからずあるように感じた。また、BGMとその使い方が良かった2010年にアルバムが出たらしいので買いたい。
大傑作!

この後も、この映画観ているが、初見時の上映時間が一番長かった。

(池袋シネマセレサにて)
正直に言うと、全く訳がわからない映画だ。深い意味があるか、それよりただのナンセンスか、今のところは僕には本当に不思議だ!でも凄く楽しかった。狂った映画で、ゴダイゴの音楽も好きだ。原田美枝子もぽちゃりで可愛い!
120分版を観たよ
青春の刹那、衝動性
親という存在
とてつもなく痛々しい映画
お母ちゃん殺すシーンが本当にエグい、これはトラウマ級
それにしても、逃避行映画って何故か大好きなんですよね

意図せず知らずに同じ監督の「太陽を盗んだ男」を同時レンタルしたようなのでこちらも楽しみ
ネグセ

ネグセの感想・評価

3.5
主要キャストらのネジの緩み具合に酔う。市原悦子の怪演もさることながら、水谷豊・原田美枝子両名の大根芝居に驚愕しつつ…、よくよく思えばこのお三方かつては怪優のくくりでもいいくらい個性派で売っていた。たった2作で映画を撮るのをやめた長谷川和彦監督作品のどっちといったら好きな方。
karaf

karafの感想・評価

4.1
なかなか観る機会がなかったが、最近の酷い日本映画に辟易してたのでこの機会に鑑賞。
今見ても色褪せないアバンギャルドな演出や構成!
自主っぽい鬱屈な主人公の感情を描きつつも、アクションがしっかり見れてメジャー作品としてのクオリティも兼ね備える。
作家性、エンタメ性共に抜き出ていた。

実際にあった事件がモデルとのことでそこも調べてみたいが、この作品逃避行ものかと思いきや、子供の通過儀礼の話だった。

親に従えなく駄々をこねた結果殺してしまった。結局殺した重荷で親に縛られ続けるという、一見したら殺人ものだが、親離れ、若者のひとり立ちの困難さを描いていた。

すごく面白かった。
少しだけ分かりにくいというか純文学側面があって完全に一般ウケしそうにないのが玉に瑕なのか?
これがいいけど。
「我々が自由らしきものと引き換えに失ったもの」

長谷川(ゴジ)和彦監督デビュー作。
久しぶりに見直した。
親殺しという純文学的テーマをジャパニーズニューシネマ、青春映画に仕上げた長谷川監督の手腕は流石。
旬の水谷豊、瑞々しい17歳の原田美枝子、怪優市原悦子、内田良平(初めて見た時は尾崎紀世彦かと思った)達の好演も光る。
敗戦、旧き故国への後ろめたさ、憤り、郷愁をエンターテイメントとして昇華させている。
BGM、タイトルバックのセンスも◎
70年代は邦画、洋画を問わず名作が多いが、この作品は代表格。
いやー、いい。特にオープニング、タイトルの出方から市原悦子さんのくだりまで。日本映画とは思えない、アメリカン・ニューシネマを思わせる外連味。カッコいい。
かかる楽曲が全部やたら良いと思ったらゴダイゴだった。さすが。
70年代の作品の熱量って、こんななんですかね。
こんなエグいの、誰が好き好んで見るんだと思いつつ、結局興味をぐいぐいと絡めとられてしまいました。

思うようにいってほしいことは思い通りにならず、思うようにいくべきでないことが上手くいってしまう主人公の様子は、なんだかつらいですね。
特に、徐々に罪悪感を感じ始めた彼が、罪の告白も、自ら命を絶つことも失敗してしまうあたりには、親殺しの罪それ自体が、殺人者に安易に楽になることを許していないようにも見えたりして、考えてしまいました。
父親、母親の、極端な父性、母性を見てると、鬱屈した思いを溜め込む主人公に寄り添ってるようにも見えますが、状況から逃避しようとする子供っぽさには、突き放した視点が見てとれたりして、殺人者の心理に多様にアプローチしようとする作り手の姿勢が見えますね。
単に、刺激物だからクセになったというだけの作品ではないなと思いました。
まあ、しばらくは再視聴しなくていいですけど。
李香卵

李香卵の感想・評価

4.8

このレビューはネタバレを含みます

実際にあった親殺しの事件をベースに書かれた中上健次の小説「蛇淫」を長谷川和彦監督が自由奔放かつアヴァンギャルドに映像化。いかにもATG映画という趣向が随所にあり、バイオレンス描写も凄まじい。出てくるキャラクターが主人公を含めて皆クズというか堕落し切っておりはっきり言って観ていて不快になってくる。

狂った母親を殺害した後浴槽に沈めて出刃包丁で解体するえげつないシーンや連合赤軍の映像がいきなり挿入されたりワケの分からないシーンで念仏が延々と流れたり、当時流行った前衛表現がわんさか盛り込まれている。

明らかにゴダールや寺山修司等を意識しているのが分かる作品だが、叙情的で泣けるシーンが後半になるにつれ増えてきて段々おセンチな展開に。主人公が幼少期だった頃の自分と父親が交流するのを回想する場面などは非常に美しく心を洗われた。

このご時世に於いて普遍的かどうかは知らないが、いま観ても非常にユニークな青春映画であることは確か。ラストも清清しくて良い。
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