青春の殺人者の作品情報・感想・評価

「青春の殺人者」に投稿された感想・評価

405

405の感想・評価

3.6
若い市原悦子の、真綿で締められるような、得体の知れない不快感がまとわりつくような、気持ちの悪〜〜い演技。若い原田美枝子の、あの身体と声。若い水谷豊の、青春像。市原悦子の声と原田美枝子の声、それぞれの特徴的な声が映画の気色悪さに一役買っている。おもしろいかと言われば曖昧に答えるしかないが、記憶にずっと残る映画とは胸を張って言える。
Takaku

Takakuの感想・評価

4.3
インパクトのあるシーンだらけで吐き気がしました。
忘れられない作品。
空きっ腹で観たのであの血糊の量に気分が悪くなった。演技は酷いけど原田美枝子どタイプ。
以前鑑賞した記録。
あの右京さんが若い頃このような役を!
怖くてたまらなかったのでなかったことにしたい。
前半の市原悦子の芝居が強烈。主演二人はうまい、とは思わなかったけど若さっていうか生命力で魅せてる感じ。後半、海辺での回顧シーンにギュッとなった。レンタルDVDで観たんだけど監督のロングインタビューが入っていてこれがすこぶる面白い。これだけでも観る価値あり。
たぽ

たぽの感想・評価

4.5
ATG映画をちゃんと観たのは初めてだった。いきなり凄いものを観た。

76年、つまり「タクシー・ドライバー」と同年の公開。そういえばこのやり場のないルサンチマンはどこか通じるものがある気がする。ただトラヴィスが権力者やポン引きといった自分とは異質なものに対して憎悪にも似たエネルギーを外的に爆発させたのに対して、順のそれは家族という身近なものに向かった。誰もが抱える、誰よりも距離が近くて、でも誰よりも分かり合えない他者。血の繋がりというのは濃い故に時に憎しみにもなる。でも殺すほどか?という些細なことにも見える…なんというか、他者とのコミュニケーションの不全がこの映画の芯のひとつにあるんじゃないかとか思った。この思春期から青年期あたりって感じの出口のない葛藤とか心の機微の描きかた、そのリアルさ。40年以上前の映画とは思えないのは、内面世界の描写の鋭さゆえかも。だから順にどこか感情移入しちゃうのかな。

順が父を殺してからの母との時間は、殺人という非日常な緊張感と、家庭の茶の間での母と息子の会話という日常的な穏やかさやコミカルさが同居していて、スクリーンから目を離せなかった。そして母を演じる市原悦子の迫力たるや。母の顔と女の顔が交互に見え隠れするその様はまさに怪演というほかない。絶命のシーン、「痛くしないでぇ…」「痛い!!」のくだりは、母の処女を息子が奪うよう。ホントに血の滴る音がにおいがしてきそうで怖かった。
背徳の極みのようなシーンのあとに流れるあっけらかんとした爽やかさと、その隙間に顔を出す虚無感や無力感がリアルだった。浜辺の回想シーンや、検問で門前払いを食らうところ、スナック炎上など印象的な場面はたくさん。
あと原田美枝子がかわいいし、あの小悪魔感がとてもよい。きれいな身体に見とれてしまいました。おっぱい…

水谷豊がこんなにかっこいいとは知りませんでした。また絶対に観る!端的に言ってすばらしかった。
スタ

スタの感想・評価

4.6
親殺しに憧れてしまった私をどうにかしてほしい。

工場をバックに親殺しから立ち去るシーンでエンドクレジットが流れてもいい気分だった。で、その後半をいろんな監督に撮ってもらいたい。

ATG特集にて
友人に長谷川監督について力説されて、鑑賞。

家族の怖さ、逃れなさ、愛憎が色濃く、近親相姦要素も含まれ、観ていて息苦しさを覚えました。中でも双方の母親の女の性と業の深さは、グロテスクで一瞬吐き気を感じつつ。そしてまた特に市原悦子氏の演技が…!役者の凄さに今更ながら圧倒されました。

背景にチラチラと戦後〜全共闘と時代を感じ、国家への反逆もにじませつつ、見応えありました。何気にゴダイゴの音楽もさりげなくて佳かったです。しかし終盤の炎上シーンはやはりゲリラ撮影だったんですね。
水谷豊が父親を殺した後の市原悦子とのやり取りが強烈ってゆうかシュールすぎて、子離れできない母親の狂気じみた情念に軽く絶望。痛くしないでからの痛いー!!はしばらく頭から離れない。
衝動のまましがらみから逃れようとして自ら殺してしまった青春。生きることも死ぬこともままならないまま、行き場のない感情はどこへ向かってゆくのか。
原田美枝子のおっぱいがいちばんの救い。ATG大全集

このレビューはネタバレを含みます

1976年日本。ATG配給。1974年に千葉県市原市で起こった両親殺害事件を基にした中上健次の小説『蛇淫』(1976年)の映画化。前半、市原悦子の近親相姦願望を持つ母親演技が凄まじい。新品の白いシーツにくるまっての母親殺害シーンの流れは、息子による母親の処女喪失の場面のようで倒錯的。水谷豊と原田美枝子の若い肢体は美しいが、思い出すのは市原悦子の白いシュミーズ姿だ。水谷豊の陰鬱な棒読み調の台詞回しが耳に残る。ゴダイゴの音楽はかっこいいし、殺害の回想シーンや映画内映画「磔刑」で絶えず鳴っている唸り声も強烈。
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