男女和合の秘術を説き聞かせている坊主（平凡太郎）が、寺に預けられた身寄りのない赤子を、見目麗しい女子高生（相川圭子）に育て上げる。田舎町のセックス事情を人情喜劇路線で描いている、日活ロマンポルノ。

テレビ創世記における人気喜劇役者、平凡太郎（たいら・ぼんたろう）が、主人公の坊主役を熱演。手練手管の知識がない女性に実践を交えた性技を教示する、性の伝導師となる立ち位置を嬉々として演じている。

赤子を置き去りにした母親（原英美）が、17年後に帰郷してナンタラカンタラ。普通ならばシリアスな展開に持っていきそうなところを、「へぇ、そうだったのー」で済ましてしまう。素っ頓狂な喜劇路線に振り切っている。

寺の外観が映るシーンは、本物の境内でロケ撮影。屋内のシーンでは、生殖器崇拝の御神体が配置されており、絵作りが面白いことになっている（さすがにセット撮影か？）。軽快なバート・バカラック調の音楽もエクセレント。

初っ端から中年女性の立ちションでFANZAのピンク映画チャンネル（月3000円）を今すぐ解約したくなったが、うんざりしながら一応最後まで見た。ことあるごとに「ビヨヨ～～ン」というくだらない喜劇的な効果音、『職業別SEX攻略法』でも多用していたし林功はこの音に絶対の信頼を置いている。セックスキチガイの坊主がレイザーラモンRGに似ていた。やりたくてやりたくてしょうがない女性が釣鐘を突く棒を陰茎に見立ててフェラチオしそうになったり。それぐらい。時間の無駄。

「むれむれ女子大生」がつまらなかったので、同じ監督作品のこちらも同じだろうと期待したら、期待通りつまらなかった。

田舎町。お寺の坊主のとこに女の子を置きっぱにして十数年後。学生に成長した女の子と坊主、母親と弟、彼らのほのぼの艶笑話。

いったい何が売りなのか？エロスかコメディーか人情か？全てがイマイチだぞ、監督。
しかし満足感しかない。何しろアルファ波が凄いのだ。観てると精神が第六世界を彷徨い平和な気持ちになる。先程観たのにストーリーは既にうろ覚え、浮世を忘れるにはほどよい。

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