なんて静かで美しい映画なんや
海の漣を聞きながら五感で感じとる
化石を発掘し販売する仕事を行うメアリー
彼女の元へやって来たアンモナイト好きの男
彼の妻シャーロットを暫く預かる事になるが..
無表情で心を固く閉ざしたメアリーと
実生活で自由がなく内に籠るシャーロット
2人はゆっくりと時間を重ね
互いに打ち解け心を許して行く
作中台詞が少なく表情や仕草で感じとる
目線や口元でどう考えているかを見てとる
少しずつ変わる雰囲気、役者魂が伝わる
絵面は地味かもしれない
その分登場人物に注力して鑑賞できる
次第に表情も緩み会話も増え
解き放つように惹かれあって行く
自由でいたいメアリーと
自由にしたいシャーロット
些細な価値観のズレから生じる
閉塞感の意味合いの違い
物の価値の違い、価値観の違い、自由の違い
どちらかが歩み寄るのか
はたまた分岐点を機に去るのか
女性の名誉がいかに男性に剥奪されて来たか
細かな表現がそのような歴史を感じさせる
非常に興味深く考察しがいのある映画だった