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アンモナイトの目覚めのhiのレビュー・感想・評価

アンモナイトの目覚め(2020年製作の映画)
4.1
ピリピリした他人の関係から燃えるような恋へと移ろう2人の人間を描くのが本当に上手い。
女の“仕事”を“遊び”かなにかだと勘違いしている男が置いて行った鬱病の妻と、社交嫌いの考古学者のロマンス。

“友だち”として2人で出かける前の香水のシーンが好き。メアリーが見せる貴重な微笑みに、シャーロットと一緒に嬉しくなってしまう。その後メアリーが演奏会で感じる羞恥と嫉妬と孤独の描写も秀逸だ。

シアーシャローナンとケイトウィンスレット、それぞれ本当に魅力的。
激しいラブシーンも、配慮のもと撮影されたとのことで安心して見られる。
ラスト、ハッピーエンドがどうかは解釈によるが、明確な別れの無いレズビアンムービーであった。

きっと抑圧されてきたであろうシャーロットが、自分の無力さに泣き崩れるシーン。戸惑いつつも抱きしめるメアリー。美しいシーン。
「女同士は助け合うべきです」と男性医師は言うが(彼を演じるのはアレック・セカレアヌ!)、個人的にはこれは全員がすべきことではないと思う。自分一人生きるので精一杯の女性も多くいる。
他人に強制されるのでなく、自発的にできると思うときに、助けを必要としている女性に対して、手を差し伸べることを迷わないようにしたい。たとえそれが価値観が違う気に食わない人でも。
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