蒼井ことり

Summer of 85の蒼井ことりのネタバレレビュー・内容・結末

Summer of 85(2020年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

男の子たちのルックスが好みじゃなく、いまひとつ盛り上がれなかった。軽薄な感想かもしれないけど、自分の中で、この手のジャンル(BL)に対する評価の内訳として、“目の保養”的な要素が大きく占めてるのが分かった(…というか、それしかないでしょ)
主人公がダヴィドを好きになる強い動機というか、納得できる理由や整合性がなく、個人的にダヴィドにあまり魅力を感じなかったせいもあるが、主人公の若さゆえの暴走とか、恋愛という名の勘違いってやつなんだろうなと、少々冷めた目で見ていた。
ねっとりとしつこいいちゃいちゃシーンの連続には胃もたれしそう(身もふたもない言い方でスミマセン)だったので、もうすこしライトでいいかなぁとか。10代だしさ。
遺体を見に行く場面は、そこまでするかと興醒めしてしまった。女装も、何もそこまでエグい格好じゃなくても…とかついつい思ってしまった。

監督が、お墓の上でダンスをするという奇妙でそれていてロマンチックなラストシーンにこだわり、それを撮りたかっただろうことは伝わってきた。独特のセンスがあり印象的で良かったと思う。このシーンありきで筋書きを書いたのかもなぁと思わされた。
にしても、自分の知ってる、実際に体験した時代が、いよいよ映画内で懐かしい時代としてひんぱんに登場するようになってきたなぁ。(その、主人公がリアルタイムで80年代に活躍するのではなく、主人公が「あの頃僕たちは…」って感じで懐かしく振り返る“過去”としての80年代ね。)
ファッションを見る限り、たしかに、うん、舞台は70年代じゃなく、90年代でもない、80年代だなって実感できた。こんな風に実感できるようになった私は年を取ったなぁ。ティーンの恋愛を、勘違いだと冷めた目で見ちゃうくらいに…。
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