キツネとタユタム

アナザーラウンドのキツネとタユタムのレビュー・感想・評価

アナザーラウンド(2020年製作の映画)
4.3
仕事もプライベートも惰性で生きていた学校の先生が、人間は少量飲酒をしていた方が能力を発揮できるという仮説を聞き、3人の教師仲間と共にお酒を少量飲みながら授業をする実験を始める話。

お酒絡んでくるから絶対嫌な結末になるだろうと思い鑑賞。やっぱり嫌なこと起きるんだけど、そこがギリギリ不快感にならず、むしろ感動するという不思議な魅了が込められている映画だなと感じた。

イケメンおじさんのマッツ・ミケルセンの魅力が全て詰め込まれている作品。哀愁だったり色気だったりが詰め込まれ過ぎて凄い。マッツ好きであれば絶対に外せない一本。

監督のインタビューでも言っていたが、これは人間賛歌の話であり、人生というものを考え直させてくれる映画。決してお酒の危険性を訴えるだけの映画では無いので、その点「安心して観てみて!」と色んな人に勧めたくなる作品だなと感じる。

大人になると上手くいかないことも多い。このままずっと変わらない人生なのかなと感じることもあるけど、何かきっかけがあれば、生き方を変えることも出来ることを伝えてくれる。この映画はそのきっかけが仕事中にお酒を飲むという過激なことであるのだけど、惰性で毎日を過ごしていると思ってるときに観たらとても刺激になると思う。

最後の結末が、ちょっと駆け足で上手くまとめようという意思が見えて「むむ…」と思う部分もあるが、マッツ・ミケルセンのダンスが全てを吹き飛ばしてくれる。なんて綺麗な舞なんだろう…。
デンマークのお酒事情も少し勉強できて、感動もあるとても上質な一本だった。

有楽町のミニシアターで観たので、なんか特別な雰囲気で味わい深い。パンフレットでゲームクリエイターの小島監督のコメントが入ってるのが面白い。トイレで隣に並んだときに年齢の話をして小島監督の方が年上だから、そこからマッツが敬意を表し始めたって話めちゃくちゃ面白いと思う。
パンフレットも色々裏話やマッツの魅力が語られてオススメ。
キツネとタユタム

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