映画猿

アナザーラウンドの映画猿のレビュー・感想・評価

アナザーラウンド(2020年製作の映画)
4.1
主人公含む友達の同僚のほぼ皆が、教師生活とか家庭生活のなかで不和や不全感を抱えている状況で仲間のひとりが持ち込んだ論文の実践によって自体を好転させようとする中年教師の話。
(まあ実際は皆元々呑み助だからアルコール濃度の実験によって大義名分が得られたという部分が大きいんだろうが)
仲間はみな同じ学校の教師として飲みに行くような付き合いは続けていたとしても、なにか一つの目標、それもグレーな目標のために全員が一つになることはもう何年もないという状況下で、このアルコール濃度を一定に保ち身体の影響を観察っていう実験は、久々に出会えた全員でワクワクできる出来事だったんだと思う。
まあことが上手く進むわけもないのだが。

主人公の目の沈んだ暗さとか全体的に映像の色調が淡く暗い感じ、静謐な感じがアルコールによって大きく描写が変わる辺りは見ているだけでもワクワクしたし救われた印象すらあった。


他の作品と似てたところ スコセッシとか
違法なブツの売買で儲けてたとしても毎日楽しく仲間と過ごせていればそれでハッピーで最高なのになんでこの日々が終わっちゃうんだよあーちくしょーつまんねー
っていう流れが割りと多くの作品に共通しているマーティンスコセッシのギャング映画に少し近しいものを感じた。ほんとに少しだけど。夢のような生き方を手に入れられたかもしれないという高揚感とそれが長く続くわけもなく崩壊していく感じ。
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