ロアー

アプローズ、アプローズ! 囚人たちの大舞台のロアーのレビュー・感想・評価

3.6
実話を元にした映画だそうだけど、これは本当にネタバレも実話も何も知らずに観た方が良いやつでした。
”予想外のラストが、あなたを待っている”というキャッチコピー通り、確かに衝撃のラスト・・・どうしてもアメリカ映画脳で観てしまうけど、そうだった、これはフランス映画だった。

大分私情入りまくりの講師エチエンヌが選んだ演目は、寄りによって「ゴトーを待ちながら」。え、難しくない?と思ったけど「彼らは誰よりも待つことを知っている」と言う台詞になるほど納得。

エチエンヌが彼らの犯罪の内容を頑なに"知らなくて良いこと"と跳ねのけていたのが役者同士として向き合っている感じで良かったし、めちゃくちゃ長い台詞に「こんなのできる訳ない」と荒れていた文盲の囚人が、言えた瞬間、涙を流すシーンがすごく印象的だった。

ラストにはとにかくびっくりしたけど、「ゴトーを待ちながら」とのリンクやエチエンヌの夢だった大舞台というのが、実話の筈なのにすごく劇的?というか創られたかのようにテーマが一貫してきれいに流れていて、別の意味でもびっくりでした。
決して派手ではないけど、待つことや自由の価値について考えさせられるいい映画でした。
ロアー

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