サーシャ

マーリのサーシャのレビュー・感想・評価

マーリ(2015年製作の映画)
4.0
インディアンムービーウィーク2021にて鑑賞。ちなみに私にとって二本目のインド映画でした。

音楽とダンスがものすごく好みだったので、それだけでも十分元が取れました。
未視聴で興味のある方は是非YouTubeで「Maari」で検索し、冒頭のミュージックシーンを観てください。自分でも何がそんなに好きなのかよくわからないんですがはちゃめちゃに元気が出ます。

インド(タミル)映画界の常識なのかも知れませんが、冒頭のダンスのラストでおもむろに運び込まれ、主演のダヌシュさんとちょっと踊ってひょいっと運び去られていく「クソ軽い」人は、音楽のアニルドさんだそうで。音楽がいいのはもちろんのこと、ご本人も小柄で細くてかわいくて正直とても好みです。ムキマッチョが多いっぽいインド映画界の清涼剤と言えましょう。(インド映画初心者が勝手なことほざいてすみません)

Spotifyで「Anirudh」で検索するとアニルドさんヒットソングプレイリストが出てくるので耳が幸せになります。

主演のマーリ役ダヌシュさんはこの映画で初見でしたが、細身ながらも体幹の強さがばっちり伝わるバキバキダンスが最高に格好よくてずっと見ていられます。柄シャツにドーティ(腰布)の組み合わせ超いいね……。

インド映画にはお着換えシステムがあるのか、無限に湧くマーリの謎柄シャツも、ブティックを経営するヒロインのひとりファッションショーも楽しめました。

肝心の内容は、人に厳しく鳩に優しい極道マーリと、彼が治める地区に派遣された警視監(役職があやふやですみません)の戦いと言いますか。そこにヒロインも加わって、インド映画あるあるなのか前半と後半で一気に流れが変わって二転三転します。

前半のマーリのチンピラ行動(特にヒロインが経営するブティック絡み)が本当にクソすぎて頭を抱えたりもしますが、後半で適度にマーリの過去が小出しにされたり、マーリを上回るクソ野郎が登場したりである程度挽回されます。まあそれでも、ブティック云々は本当にクソなんですが、「本物の男はレイプなんかしない」と言い切りヒロインに手を上げない姿勢は素直に格好いいです。「不良がゴミ拾いするだけで超褒められる」と同じ流れでちょっと騙されてる気もしますが。

「暴力こそパワー!」と言わんばかりの最終決戦もすかっとしますし、安易なラブコメに走らず極道なりに筋を通して悪役に徹するラストもよかったのですが、前半のクソ野郎っぷりと二転三転する展開ゆえか体感時間は長めでした。

同じくアニルドさんが音楽の「無職の大卒」DVDのミュージックキャプター機能が最高だったので、是非円盤化してほしいです。アニルドさん買いします。
サーシャ

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