Ryo

スパイの妻のRyoのネタバレレビュー・内容・結末

スパイの妻(2020年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

■上流社会の夫婦
妻は夫が自分に対して干渉せずまた、秘密などを共有しようとせず不安が募るばかりでした。
しかし中盤に夫の秘密を知った妻はこれでようやく2人の共通のものができた、2人で戦っていけると喜び、夫は本当は何を考えているかわからない。まさにチェス版のように夫婦の心理戦の映画であり、スパイかどうかは台詞にもあるようにどうでもいい。

■優作は本当はスパイだったのか?正義を成す為だったのか?
途中優作は満州に行きそこから正義の為、国家機密をアメリカに渡そうと企みました。
しかしその前までは恐らく愛し合って結婚していた妻を正義の為だからといってあそこまで残酷に捨てられるのか?フィクションの映画(いわゆる嘘)を作る優作はそれを理由に満州にわざわざ行っている。
しかし本物のスパイであれば金庫の鍵の開け方を妻に教えるのもおかしい部分がある。
それは妻の聡子も一緒で信じる信じないは観客や聡子自身である。

■ラストの字幕について
元々は夫から君は実際に見てないから恐ろしさも何もわかって居ないと言われていた妻はラストで戦争を目の前にし体験する。脚本はそこで終わりだったが監督が救う道はないのかと模索し、「終戦」とその後の字幕を付け足したのだそうです。
Ryo

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