まち

スパイの妻のまちのネタバレレビュー・内容・結末

スパイの妻(2020年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

前情報なかったんだがあの満州から持ち帰ったものとして流れた映像は実物だったのかな…不気味な映像の断片を箇条書きしたみたいな内容で、カーテンや扉を閉ざして上映してて映画内映画みたいな体験だし、凄みがあった(検索したところ、実物ではないらしい)
ラストの空襲シーン、サイレンよりも前に机の上のコップや食器が振動する音から始まっていて、悲鳴や赤ちゃんの泣き声が遠くから聞こえ、空襲を音で表現していた。破壊された街を前にした聡子のモノローグは「あなたのせいで日本の同胞が何万人死ぬとしてもそれがあなたの正義ですか」と聡子が優作を罵倒した場面の受けになってる。聡子は「正義を選んだ優作」との「幸せ」を選んだけれども、結果的に優作の正義の選択だけが成就していた。聡子は「幸せ」を選択させてもらえなかったということなのか。

その空襲シーン含め、全体的に映画というよりも立体的な舞台を見ているような気持ちになったんだけれどなぜだろう。演技感の強い演技。でもそれゆえに、あの満州の映像が真実として際立っている感じもした。
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