しゅんろっく

スパイの妻のしゅんろっくのレビュー・感想・評価

スパイの妻(2020年製作の映画)
4.0
アマプラで鑑賞。初見。黒沢清作品を見るのは「キュア」以来、二十年振りくらい。前半の昭和の少女漫画的な展開は退屈と言えなくはないが、おそらく物語の伏線になるであろう様々なシーンやアイテムが登場して、徐々に緊張感が高まる。後半から「あっ、これ知ってる!」という猟奇的な雰囲気になってきて、主役の二人の(良い意味で)過剰な演技も相まって、かなり盛り上がった。
かつての日本の戦時体制が否定的に描かれてはいるが、そのテーマはあまり残らず、途中に挟まれる8ミリ映画や「河内山宗俊」や町の映画館の看板が、やたら印象深い。
良い映画だったけど、かなり奇妙な後味。
音楽がオーセンティック過ぎるのが残念だった。