シンプルな入れ子構造は、昔見た『死刑台のエレベーター』という映画を思い出した。
中盤は少し中だるみを感じたが、ラストシーンの畳み掛けは流石。
映画らしさが解体されていく…というのか…、黒沢清監督作品に共通するある種のおかしさがあったと思う。
ラストシーンの海なんか、他のシーンからあまりに浮き過ぎて思わず慄いた。なんでここだけ怖いの。
ハリボテ感の否めない舞台セットも、黒沢清の映像を通すと不思議と『いろいろ構わずに撮っちゃいました』みたいなミニマムなかっこよさに感じられてしまう。
やっぱり空っぽの箱が出てくる。やっぱり廃工場が出てくる。おもわずニコニコしてしまう。
