ちのも

スパイの妻のちのものレビュー・感想・評価

スパイの妻(2020年製作の映画)
3.9
テレビ版未見。前情報は共通のあらすじのみの状態で鑑賞。もっとねっちり世間からスパイの妻と罵られる話かと思ったら全然そんなことなくて、えっ、残り時間大丈夫?えっ?と思っているうちに終幕。

周囲から石を投げられる話が苦手な人でもギリ観られるレベルだと思う。拷問シーンはちょっとあるけどあからさまに流血はない。

役者が皆端々まで芸達者。蒼井優が言葉遣いはその時代っぽいもののちょっと現代的すぎる気もしたものの、それでこそ福原の嫁と思えば飲み込めた。ポーカーフェイスなのに胸の内で滾らせているとわかる高橋一生、多分恋を捨てると同時に完全に職務へと狂ったんだろうなあと思われる東出昌大、べらぼうにうまい。個人的にお屋敷の執事さんとお手伝いさんも素敵だったと思う。

遠景、手前と奥との光の加減、音やセットはいちいち説得力があった。無音のおぞましさ。

最後、おいNHK、「ここでナレ死です」じゃないんだよ…!と膝をつくなどした。いや、鑑賞者の判断に委ねたかったのと尺の問題だろうけどさあ…。その一点において4点はつけられず。残念。
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