町山智浩がラジオで妻にとって戦争なんかどうだっていいんですって言ってたけど、そんなことはないし、確かに蒼井優にそこまでの強固な思想はなかったかもしれないが、夫婦のゲーム的な駆け引きだけでなく、そこには戦争が密接に絡んでいるはずだ。確かに台詞では言ってたかもしれないが、反転させるのが濱口竜介お得意のワザなのだから。本作を楽しむためにも「寝ても覚めても」
「happy hour」は重要作品。
それにしても夫婦間の恐怖と戦争の恐怖を同時に描くなんて中々見れるものではないし、元来ホラーを描ける人は男女の恐怖を描くことにも応用できるし(サンライズ等)、本作みたいに戦争の恐怖を描くことにも応用できるものなんだね。
黒沢の「回路」が好きな人は絶対に劇場で見るべき。
ただ、後半のあのセットはNHKのダサさが抜けきれていないくて残念。