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スパイの妻のsmmt705のレビュー・感想・評価

スパイの妻(2020年製作の映画)
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お見事です!っていう台詞がとても違和感と皮肉があって好き。ただ、妻という文字がタイトルにあるように、あくまでも妻としてのお話であって、それがしかも妻からの目線でしか分からない世界。この主導権のなさが、今の時代に、今の私の心情で観るとすごく怖い。全力で主体となっているように見えて、でもあくまで側にいるためにという絶対的な愛みたいなものの為に、それはある意味依存だと思うけれど、そこのみに全力になる妻の物語なんて、ほんとに恐ろしくなる。スクリーンに飛び込む蒼井優のあの狂いが突然すぎて良かったのと、東出くんが本当に信じきっていた部分に、黒沢さんの映画を感じました。
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