こしょう

スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバースのこしょうのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

冒頭、ドラムの音と映像の組み合わせからしてヤバイ。実写では出来ないものが明らかにあって、これは凄い、と思っているとその後のヴァルチャーとのバトルがさらにヤバイ。こんな映像は見たことがなく、初めての映像を観ることの喜びで久々に興奮した。これだけで満点。
途中、話が長いと感じるところやグウェンの抱える問題とカノン事象の解決はそれでいいのか?という疑問もあるが、ラストの次作への引きはベタでありながら非常にアツい。

前作で生まれた、本来はあり得なかった一つのユニバースに2人のスパイダーマン。特異な存在だからこそ、その意味や役割、存在意義は何か、これは運命なのか、といったことが強調されているが、これらは誰もがマイルズの年頃に考える、ある意味陳腐なテーマ。我々はそのテーマに答えを見出さなくても、運命だと諦めて受け入れても人生は進んでいくが、マイルズは悩みだしたところで勝手に答えを押し付けられ、テーマを共有できる仲間と思っていたスパイダーマン達にも追われ、存在否定される。かっ。なんちゅう苛烈さ。困っている人に手を差し伸べるはずの親愛なる隣人が、仲間を追い立てるこの過酷さ。かっ。
その後もマイルズは救われないが、その特異さゆえ諦めない。スパイダーマンは何度でも立ち上がる。つまりパンク。そう、冒頭のドラムで分かる通り今作はパンクが通低音なのだ。
そして、ドラムを叩いていたグウェンが、スパイダーピープルがスパイダーマンに手を差し伸べるために集まり、新たなパンクバンドが結成される。1人かもしれないが1人じゃないかもしれない。滂沱
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