三樹夫

スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバースの三樹夫のネタバレレビュー・内容・結末

4.2

このレビューはネタバレを含みます

前作に引き続き相変わらず作画は最高というか凄すぎ。アメコミの絵柄がそのままアニメなっている上に、世界観を表したタッチ異なる背景に、それぞれ絵柄が異なったキャラが1つの画面の中に共存する情報量の多さに、それがグリグリ動くというとんでもない作画にジャンキー状態。この映画はSWにおけるエピ5のような立ち位置で、完結作の『スパイダーマン:ビヨンド・ザ・スパイダーバース』は2024年公開予定だが、こんなの1週間すら待てねぇ。続き物の次回作って3年ぐらい間空くから1年って短い方だけど、そう思うと帝国の逆襲観て3年待った80年代の人凄すぎ。まだ来年に公開予定だがこれが3年後に公開予定とかだったら泡拭いて死んでたかもしれん。闇落ちスパイダーマンに、次作は前作メンバー全員集合で殴り込みとか楽しみ。

この映画ではヒーローとは何かという定義をしていて、大勢を救うか少数を救うかという選択に迫られた時に、両方を救う者こそヒーローというものだ。至極当然というか、現実でもリアリスト気取りで少数を犠牲にするだのなんだのがいるけど、リアリストでもなんでもなくてただのナルシズムだし。自分が選別する側になって偉くなったかのような錯覚になってイキってるだけ。なんかあれあば自分も犠牲になる側になるのにやたら自分は選別する側と思ってるのが不思議だが。両方を救う者というか両方を救おうとする精神性がヒーローとして大事なもの。
ミゲルは前作のヴィランのおっさんみたいな、肯定はしないが同情できるおっさんというポジのキャラ。おっさんピーター・パーカーなど、スパイダーバースのおっさんキャラはクレしん映画におけるひろしのような、作っている人たちの年齢に近い感情移入しやすいキャラなんだろう。
ダイバーシティはモリモリで、色々な人種に妊婦や車椅子のスパーダーマンに猫のスパイダーマンも出てくる、マルチバースの設定を上手く活かした正統派のポリコレとなっている。パンクスパイダーマンまじでカッコよ。世界中で売ろうと思ったら色々な人をターゲットできるので多様性あった方がいいし、マーベルやワイスピなど人種多様なポリコレ映画が歴代興行収入トップにきてるし、観てる方も何の引っ掛かりもなく観れるし。後は作るのが上手いか下手か。
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