DJあおやま

スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバースのDJあおやまのネタバレレビュー・内容・結末

3.7

このレビューはネタバレを含みます

あまりに期待し過ぎてしまったのと、あまりの情報量の多さに、変に冷静に観てしまった。そして、次回作への盛大な前フリ的な終わり方に肩透かしを食らってしまった。終盤、盛り上がりに盛り上がったところで、デカデカと「つづく…」と表示されたときは、「嘘だろ…」と声が出そうになった。前作はコンパクトな仕上がりで、作品単体としてしっかりと完結しており、非常に完成度が高かっただけに少し残念だ。とはいえ、次回作『ビヨンド・ザ・スパイダーバース』はもう来年公開ということで、今から楽しみなのは間違いない。ここまで盛大に前フリした先に何を見せてくれるのだろう。

映像体験として文句なしに素晴らしく、”観る快楽”だなんて評されるのも納得でとにかく圧倒的な物量が美麗に動きまくる。ただ、ストーリーが目まぐるしく展開され、一つ一つの衝撃的な展開を噛み締める余裕がなかったから、作品と温度差を感じてしまった。
『ノー・ウェイ・ホーム』で、マルチバースを活かした感動をこれでもかと味わったが、今作はアニメーションという次元に囚われず、さらに一歩進んだマルチバースを活かした展開を見せてくれた。それを存分に表現するアニメーションの出来栄えは、アニメーション作品として1つの金字塔ともいえるだろう。と、ここまで評価できるのは、作品を観たあとに時間をかけて今作について整理したからであって、観た直後は少しぽかんとしてしまっていた。やっぱり、あまりにハイクオリティのアニメーションで、圧倒的な情報量の展開が続くと感動が追い付かない。もう一度観てみたら、感想も変わるかもしれない。

前作に続いて吹替版で観たけど、やっぱりせっかくのアニメーションを字幕が邪魔しないのが良い。これは変にゲスト声優を起用せず、確かな声優陣で固められているおかげもある。なかでも、グウェンがもう良過ぎて、演じる悠木碧がその魅力を増させていた。次回作も吹替版で観ようと思う。ただ、吹替版主題歌はマジでいらないです。
DJあおやま

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