シギ

はりぼてのシギのレビュー・感想・評価

はりぼて(2020年製作の映画)
3.3
ずっと見たかった単館映画。

短期間に14名もの解雇者を出した、政治活動費横領事件のドキュメンタリー。

記者が報告書の矛盾点を追求し、政治家が言い逃れしようとするも追い詰められる、痛快社会派映画でした。

「私を疑うのかね!無実だ!」
↓(調査)

「大変申し訳ございませんでした!」
の爆笑コンボを13回見れます。

BGMが踊る大捜査線の3アミーゴスの極みたいで、間抜けで笑っちゃうんよね。

合間には政治家を皮肉るように、タヌキの置物やカラスという、悪意のある映像も流れるし、金銭欲から逃れられない人間のサガを、糾弾しながらも愛してる感じがしました。

「政治腐敗の裏側を、実名でこんなに放送して大丈夫なの?!」という面白さはありますが、ボケとしては同じパターンが続くだけなので、後半はダレてしまいます。

とはいえ、
4.5人目の汚職事件ぐらいから、横領に慣れてしまって笑って許してしまっている視聴者こそが、この事件の根幹でもあるわけで、「笑ってちゃイカンよな」という気にもなります。

ラストは政治的圧力で、記者が飛ばされたり退職する所も映っていて、金と政治の問題は根深いなと思いました。

居眠りして横領して恫喝してるあいつらが何千万円も貰ってるのかと思うと、次の選挙で投票する人も、よく考えないとなぁ。

逆に、ビシッと政治してくれるんやったら、何十億貰ってくれても全然ええんやけどな。
シギ

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