Noi

ハミルトンのNoiのネタバレレビュー・内容・結末

ハミルトン(2020年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

ミュージカルとヒップホップとアメリカ建国史の融合がかっこ良すぎる!

ミュージカルにヒップホップ!?
と最初聞いた時はとてもびっくりしたけど、韻を踏む心地良さと、ヒップホップだからこそダイレクトに伝わってくる感情があってほんとに新感覚のミュージカルだった。熱がこもるラップ調の語りに空気が一気に高まるのが画面越しでも感じた。

ハミルトンの自伝を読んだ時、その生き様がヒップホップ物語そのものだと感じ、配役は白人と制限せず、その熱量を伝えられるヒップホップアーティストを選んだというリン=マニュエル・ミランダのインタビューを読んだ。斬新な発想に、作曲・作詞・脚本・主演のすべてを自分でやって、この劇を実現させたってほんまに天才...

第一幕ではアレクサンダー・ハミルトンを初め、学生たちの野心が生き生きと演じられていて観ていて清々しかった。
“Satisfied”の逆再生の演出や、第二幕のラップバトル風の閣議シーンも面白かったな〜

"Yorktown (The World Turned Upside Down)”の曲中、仕立て屋ハーキュリーズ・マリガンの登場がめちゃくちゃかっこよかった...
ラファイエット伯爵とトーマス・ジェファーソンのキャラはなんだかお茶目で楽しかった(笑)
映画”In the Hights”のアンソニー・ラモスもメンバーに加わっていたなんて!
第一幕ではハミルトンの学友3人組を演じていた役者が、第二幕ではトーマス・ジェファーソン、ジェームズ・マディソン、ハミルトンの息子を演じ分けていたのも面白い配役だった。

イギリス国王ジョージ3世がジョナサン・グロフとは!明るい曲調だけど言ってることはサイコパスな国王をコミカルに全力で演じててめっちゃ好きやった(笑)

ダンサーの衣装が男女間であまり違いがなく、同じようなデザインを使っていたのもよかった。

「チャンスは捨てない」
“I am not throwin’ away my shot”
というフレーズがハミルトンの生き様を
表す言葉として第一幕から
繰り返し使われているけど、
最後の決闘でハミルトンは
銃口を空に向けて引き金を引き、
バーの銃弾に倒れ人生に幕を下ろす。
口癖のように言っていた言葉とは正反対で
弾を捨てる終わりだったけど、
そこに込められる意味は無駄ではない。
ハミルトンの人生に対する決着の付け方も、脚本が上手かった〜!!
Noi

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