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クライムサスペンスだ。
良かった。
これは掘り出し物だと思っていたのだが・・・
観終わって評価を見てみたら異様に低くて驚いた。
なぜだろう?
私はかなり面白いと思った。
ストーリー自体に目新しさはないが、派手な仕掛けや無意味なアクションに逃げない、真っ向勝負のサスペンスだと思ったのだ。
ストーリーは至って分かりやすい。
ある有力者のドラ息子に恋人を惨殺された男の復讐の物語である。
こんな話は星の数ほどあるだろう。
実にありふれている。
しかし、これはそれだけではない面白い要素が詰まった作品なのである。
主人公はある犯罪組織のメンバーで、ボスの右腕的存在である。
ボスは彼を息子のように思っているのだ。
そのボスが、ある実業家と大親友なのだが、実業家の息子が例のドラ息子なのである。
ドラ息子の蛮行を知ったボスと実業家が、一体どのような始末のつけ方をするのか。
ここも見どころだ。
この二人は悪人だが、人格者である。
最期までスジを通そうとする男たちなのだ。
おじいさんだが、カッコいいとさえ思った。
なんと言うか、任侠映画のような風情がある作品である。
私は任侠映画を観た事はないのだが、仁義とか義理人情のようなものを様々な場面で感じたのだ。
派手なアクション映画を期待すると拍子抜けするかもしれない。
話もこじんまりとしていて、地味だ。
しかし、人間ドラマとして十分面白いし、サスペンス物としてもいい感じた。
全体の雰囲気も私の好みなのだ。
なぜ、あのように評価をが低いのか、いまだ理解できない。
私の感性がおかしいのだろうか。
かつて、ある歌姫が歌っていた。
“狂っているのは世界の方か、それとも私の方か“
そんな気分なのである。
今日はそんなおセンチな気分なので、
秋桜の花弁で花占いでもしながら、ひとりグラスを傾けるとしよう。
「大将、焼酎お湯割り。薄め薄めで」