みなりんすきー

エノーラ・ホームズの事件簿のみなりんすきーのレビュー・感想・評価

3.4
『サメをおびき出すには 自分がエサになれ』

『いずれ──選択を迫られる その瞬間 自分の中に真の勇気を見いだすわ 何と引き換えに大切な物を守れるのか』

『選ぶのは自分だ 世間の常識に縛られるな』


■ あらすじ ■
1884年、イギリス。名探偵として名を馳せていたシャーロック・ホームズ(ヘンリー・カビル)とその兄、マイクロフト(サムクラフリン)。その2人の妹であるエノーラ(ミリー・ボビー・ブラウン)は、16歳の誕生日の朝目覚めると、母の姿がないことに気付く。しかし久々に再開した兄たちは非協力的で、エノーラは母が残した暗号を元に単独で捜索を始めるが…


■ 感想 ■
『エノーラ・ホームズの事件簿』
(『Enola Holmes』)

新型コロナウイルスの影響で劇場公開は断念を余儀なくされ、Netflix配信で公開。確かにこの豪華キャストと、万人受けしそうな小気味良いテンポで綴られるミステリーの作風は、劇場公開してもかなり人気は出そうな作品でした。私も気になって観に行ってたかも。

キャストでいうとやはりまずは『ストレンジャー・シングス』でイレブン役を務めたミリー・ボビー・ブラウン。彼女すごく大きくなりましたね!もうすっかり少女から女性へと変わっておられました。でもやっぱりどこかあどけなさというか幼さも感じられて、そういう役が一番似合うんだろうなと思ったり。ロングヘアで女の子らしいドレスもまぁ似合うんだけど、個人的にはショートヘアでボーイッシュな格好してる彼女の方が好きです。

そしてシャーロック役には『マン・オブ・スティール』でスーパーマン役を務めたヘンリー・カビル。マイクロフト役には『パイレーツ・オブ・カリビアン』や『世界一キライなあなたに』などにも出演しているサム・フランクリン。そして母親役にはティム・バートン作品に多くの出演を果たしているヘレナ・ボナム・カーター。豪華顔ぶれが勢揃いで景色や当時のイギリスの建造物などの美しさも相俟って、画面は常に煌びやかでした。

あとテュークスベリー子爵を演じられた俳優さんがめっっちゃイケメンというか美男子で「だれだれだれこの人!?!?」ってなってたんだけど、調べたところどうやらまだ今作くらいしか出演作が無さそうで、まだまだこれからの俳優さんのようです。しかもまだ17歳ときた・・・今後に超期待。本当に王子様みたいでした。でもちょっと間違えたら暗黒面に落ちそうな雰囲気もあるお顔立ちです。素晴らしい。

お話に関してはまぁ、めちゃくちゃ重厚ミステリー、みたいな感じではなく、どちらかというとそんなに頭を使わずに気軽に観られるテンポのよいお話です。黒幕が誰だとか、めっちゃ死人が出るとか、そういう重たさはあまりなく、あくまでクスッとしながら最後まであたたかい気持ちで観られます。エノーラがしょっちゅう視聴者に語りかけてくるのも面白い。
なので脚本がガッシリとした難解ミステリーみたいなのを期待しているとちょっとアレ?となってしまうかもしれないので、あくまで笑いながら楽しく観られる軽快なミステリーと思ってほしいかな。

最初テュークスベリーが出てきた時はこの2人ベッタベタな恋愛しそうだなーと思ってたんだけど、案外そうでもなく、あくまでエノーラは彼を守りながら母を探し、彼もまた黒幕を暴く為に動きあまり恋愛にうつつを抜かす感じはなくそれぞれ目的を見失わずしっかり動いてくれていたので、見ていて安心できたというか。勿論ラブラブになってくれてもいいんだけど、個人的にあんまりそれを求めていない自分がいたので(笑)この作品にそれはちょっといらないかなーと感じていたんですよね。だったらもっと兄たちに焦点あててほしいというか。なのでその辺は良かったなと思いました。

明るく楽しく観られるミステリーでした!