竜どん

夏への扉 ―キミのいる未来へ―の竜どんのレビュー・感想・評価

3.8
ロバート・A・ハインライン永遠の名作『夏への扉』の実写化。まさかこの原作の初映画化が邦画で成されるとは驚きと共に、多分に不安が…💧

結果、予想以上に良く出来ていました。
SF描写はTV枠の域を出ておらず『奇妙な物語』レベルですが、時間跳躍後を2025年と現在に近い時代に置き、それに遡る形で主人公の時代を30年前(1985年)に設定してあるので、現代に近い形での未来像を無理無く受け止められる。
時間遡行及び跳躍モノはこねくり回しすぎると訳が分からなくなるが、非常に丁寧な進行構成で解りやすくSF考証が苦手な人でも楽しめる安心設計。それだけに過ぎる予定調和と予測可能な展開はSFガチ勢には物足りなく感じるカモだが、復讐劇的要素をバッサリ切って時間的因果関係との戦いに振り切っているのでストレス無く軽快。局所に散りばめられた脚色が原作にあった違和感を過分払拭してくれてるし(介護ピートは存外大活躍)、ピタリとハマる伏線回収が気持ち良い(些細なタイムパラドックスはまぁ良しとしましょ)。冷凍睡眠という一種のタイムマシンと本来のタイムマシンを上手く使い分け登場人物達の時間軸が同期していくのは流石時間旅行モノの元祖。『BTF』も影響を受けたという完成度はやはり本物であるな。ご都合主義ではあるが素直に二人を祝福したくなる様なラストにも思わずウルルッ。山崎賢人と清原果耶の爽やか演技が後押しして、ジュブナイルとして見れば万人にオススメできる良作邦画です。

プクプクピートが可愛い。モチモチした首回りにモフモフしたい。

6/26イオンシネマワンデイパスポート2本目。
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