爆裂BOX

ヘル・フィールド ナチスの戦城の爆裂BOXのレビュー・感想・評価

3.8
第二次大戦末期のフランス。ナチスから奪還した白野警備任務に就く5人のアメリカ兵。だが、城の中では奇怪な現象が相次ぎ、そこでナチスに惨殺された一家の怨念が関わっている事が分り…というストーリー。
第二次大戦時を舞台にした異色の戦争アクションです。監督は「バタフライ・エフェクト」のエリック・ブレスが「バタフライ~」から16年ぶりに監督と脚本を務めています。
ナチス最高司令部に占有されていた城をアメリカ軍が奪還し、警備の為に5人のアメリカ兵が派遣されますが、何故か前任の隊はベッドで寝ずにソファや車で寝ていて早々と引き上げていきます。彼らも任務当日から謎の物音やモールス信号、カーテンに首を吊った女性の影が映る、無線機から不気味な声が聞こえるなどの怪奇現象に見舞われていきます。やがて城の奪還の為にドイツ軍が襲撃してきて銃撃戦が繰り広げられますが、彼らも次々不可解な死を迎え全滅、城に残されていたドイツ兵の日記からこの城に住んでいた一家がユダヤ人を匿ったためにナチスに惨殺され、その死に方と襲撃してきたドイツ兵の死に方が同じことが分ります。この前半部分は派手な描写はないですが字目ッとした不気味な雰囲気が漂っています。
軍刑務所行き覚悟で城から逃げ出そうとする一行ですが、何故かまた同じ場所に戻ってきてしまいます。冒頭で避難していく住民たちや道端に捨てられた救急車がまた現れたりという描写もベタながら良い感じでしたね。
そして後半殺された一家が蘇って襲ってきますが、ここから物語が驚愕の超展開を見せていきます。ここからのどんでん返しによって戦争アクションともホラーともSFとも言えない映画になってきますね。それまでの主人公達の会話やその中にあった違和感が伏線になっていたのも唸らされます。流石は「バタフライ・エフェクト」の監督。後半の怒涛の展開やラストも含めてちょっと「バタフライ・エフェクト」に似ている印象も受けました。でも、秘密施設と言ってたけどいくらなんでもオーバーテクノロジーすぎる様な…後、本当の呪いも関わってたのかな?という含みも持たせているように感じました。
ビリー・ゼインが冒頭でドイツ兵役で出てて速攻で退場したかと思いきや…なのも良かったですね。
純粋な戦争アクションや戦争ホラーを求めてると「ちょっと違う…」となるかもしれませんが、「バタフライ・エフェクト」好きな人なら後半の怒涛の急展開は必見ですね。あの切ない感じはないですが…