深獣九

ウィリーズ・ワンダーランドの深獣九のネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

4.0

ニコちゃんの魅力が詰まりまくった最高の逸品。
ほんとーに一言もしゃべらんかったよ、ニコちゃん……。

最強のニコちゃんが、悪霊ゆるきゃらロボ軍団と死闘を繰り広げるお話。

罠にはめられて、閉館中のアメリカ版サンリオピューロランドを掃除する羽目になったニコちゃん。その強面に似合わず、仕事はきっちりするタイプ。一所懸命働く姿が微笑ましい。ところが背後に不穏な影が……なんとゆるきゃらロボ(ダチョウ)が襲ってきたのだ。眉間にシワを寄せ戸惑うニコちゃん。だがモップの柄を叩き折り、二刀流ですかさず反撃。ゆるきゃらロボをあっという間にぶちのめす。顔を叩き潰し首を折り、背骨(スチール製)をもぎとる。飛び散るオイル。床もニコちゃんも血(オイル)まみれだ。

なにこれ?w

言わずとしれたクレイジーニコちゃんだから、顔を便器に押し付けたまま後頭部を蹴り潰したり、口から手を突っ込んで心臓(スチール製)もぎ取ったり、ゴア描写のクオリティは高め。でも相手がゆるきゃらだから、ちびっこも安心して見られるぞ。

ニコちゃんひたすら強いくて、ピンチもほぼない無双状態。ただ仕事同様、休憩もきっちり取る主義。腕時計のアラームが鳴ると休憩室でビールを空け、ピンボールに興じる。空気が不穏なときでもさあ対決という場面でも、それは変わらない。ある意味プロフェッショナル。
休憩中ピンボールをしてるニコちゃんは本当に楽しそう。ボール弾きながら踊ってるの。それもアイーンって変な踊り。ニコちゃん58歳。かわいすぎるだろ。
余談だが、私はずっとブラッド・ピットを目指していた。だがこの作品でニコラス・ケイジを目指すと決めた。まずはひげを伸ばし、おでこを広くする。上野クリニックに行けばよいだろうか。

この作品で知るのは、カッコいいニコちゃんの姿だけではない。素晴らしい人柄にも触れることができる。
トイレを雑巾と素手でピカピカにする、血(オイル)で汚れたシャツはきちんと着替える、血(オイル)で汚れた床は跡を残さずきれいに拭く、ゴミ(死体)は袋に詰めて廃棄場所へ。
なんという真面目で几帳面な性格。我社に雇いたい。
女の子にビールを分けてあげる。やさしい。相手は未成年だが。

とまあ、舞台の米版サンピュー並に楽しさ満点の映画なのだが、脚本はしっかりホラー。地方の町に伝わる呪いの話で、ジメッとした雰囲気は私の大好物だ。ニコとゆるきゃらのせいで、ジメどころかカラッカラだけど。

あとは、決闘シーンでEテレ幼児向け番組の体操ソングが流れたり、敵をぶっ潰したあとも掃除は続けるんかいとか、そんなに強くてもショットガンはこわいよねとか、プリティな見どころは満載だ。
観て損はなし。暑い夏を吹き飛ばしてくれる快作を見逃す手はないね。ビール片手にニコちゃんと乾杯❗

あ、観直してたらニコちゃん雄叫び上げてたわ。声出してたわwww
深獣九

深獣九