そよなつ

もう終わりにしよう。のそよなつのレビュー・感想・評価

もう終わりにしよう。(2020年製作の映画)
3.5
個人的にはとてもブログに書きやすい映画です。映画ブログを書いているので助かります。
「書く意欲が湧いてくる映画」です。
つまり、「意味不明映画」です。

「映画作品」としては、ほぼ会話劇で、淡々としていて、どこからが現実でどこからが夢なのか、何が何だかワケわかめです。

「掴みどころのない映画」です。
「エンタメ要素」もほぼないです。

チャーリー・カウフマンの『エターナル・サンシャイン』、『マルコヴィッチの穴』辺りが好きな方は”共感”できる部分も多いと思います。
私も好きです。基本「意味不明映画」は好きです。色んな意味を込めて。

しかし、この映画は「禁じ手」を使っております。

こうゆう「禁じ手多用映画」を私は何作か観てきましたが、本作もまぁまぁなレベルの「禁じ手多用映画」です。

ここで、私が言う「禁じ手」というものは、

「その”物事自体”を元々知っていないと理解不能」ということです。

要するに、その”物事”を知らない限り、本作の「真理」まで辿り着けない映画です。

これは非常にマズいことです。(個人的にです)

ですから、本作の場合は「芸術品の知識」=詩人、映画、本、絵画、演劇etc…それらを(その人物の作品)読んだこと、観たことがないと本作の「真理」が分からないということです。

‥‥。

しかし、本作の「私達、視聴者へのメッセージ」自体は、上記のことを知らなくても伝わるとは思います。

ラストも何となく「あーこうゆうことだったのね」みたいな感じになります。

私は、「そのメッセージ」にとても「共感」が出来ましたし、好きな監督&配役、そしてこの映画に出てくる「芸術作品」に興味や奇跡的に知っている物事がありましたので良かったです‥。

ただ、全くもってこの「映画に出てくる芸術作品」に興味がない、あるいは本作の「メッセージ」に「共感」が出来ないとなれば駄作です。
「は?何が言いたいの?ただの”拗らせ映画”じゃん」で終わりです。

実に”色々な意味”で難しい映画です。

もうこれは、監督の「意気込み」問題です。
監督(作り手側)が「分かる人にだけに分かってくれればいい」という「意気込み」でしたら、本作にとても納得できます。

しかし、「ちょっと、まじおもろいから分からないことしっかり調べてもう一回観て!」という「意気込み」で製作した映画でしたら、

ちょっと”やり過ぎ”です。

「一般人が知らない物事を出し過ぎている」映画だと私は思います。

上記でも述べたように、多数の人が、「その物事を調べてまで観る価値がある映画」、要は「何回もお金を払ってでも劇場に足を運ぶ映画」ではないと思うのです。

もうこれは、かなり観る人を選ぶ映画です。

だから、「Netflixの配信」の映画なんです。(かなり個人的見解)

ただ、もう一度言いますけど、私は監督の「メッセージ」に凄く「共感」出来ましたし、印象に残る台詞も多数ありました。

ラスト10分ぐらいの演出も個人的に好きですし、配役、役者の演技(特にト二・コレット)が素晴らしかったです。

また、制作されたのは2020年ですので(原作は2016年)、
「現代社会で生きている人間の心理」が描かれています。

簡単にまとめますと、「ロジハラやめろ」です。またこのパターンです。
若い方の方が「共感」できる映画作品ではないんでしょうか。

私は色々な意味で「面白い」映画だと思いました。

ですが、「皆にお勧めできる映画」ではないです。

「考察好き」にはある意味持ってこいの映画です。
ミスリードのさせ方や、伏線の貼り方と回収の仕方は個人的に凄く好みです。

カウフマン監督と戦いたい方には是非観て頂きたいです。


※ネタバレ感想は下記のリンクの映画ブログでも述べております。
ご興味がございましたら見てあげて下さい。
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【認知の歪みが映画評価する】
https://nmeemeekun.hatenablog.com/
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