血の呪いに囚われた姉妹を通して人の心が壊れる音とその残響を描く物語と。
虚実の境が怪しくその点こそが人の興味を惹き付けて止まない樹海にまつわるオカルト話と。
何処からともなく聴こえてくる赤ん坊の泣き声、磨りガラスの向こうに在る人の形をした絶対に心を通い合わせる事の出来ない影、といった具合のドメスティックな風景に映える恐怖演出を日常の延長上にフラットにぶっ込む確かな面白さに満ちた前半と。
物語としては整合性を失い破綻するものの高揚感を得られる恐怖演出、怪奇映像を惜しみなく連発する後半と。
詰まりが主人公に担わされた物語と、ビジュアルで見せる世界観とが。
共鳴しているとはちょっと言い難く、結果映画として後半で加速するだの盛り上がるだのせずに単に冗長に感じてしまったかしら、と。
心霊スポット行を、オカルトを、求めた場合にはコレジャナイ感ばかりが目立つ作り、詰まんないと切り捨てられてしまうんじゃないかしら、と。
ただ個人的には。
オカルト風味が利いたニューロティックスリラーと、怪奇度抜群、ビジュアル重視のビレッジホラーと、その二本立てと思えばどちらもべらぼうに面白くって。
感想としてはただこの一言、大満足、と。