背景のひとつ、丘陵地帯から城下町を見下ろす構図が面白い。
丘の連なりの向こうに天までとどく城壁が聳えるように見えるのだが、実は壁ではなく城下町を真上から見下ろした図である。丘を下っていくと城下に落ちてしまう感覚。
まさに動く絵本といったところ。
ちなみに、空が描かれたカットはほとんどない。遠景が「空から」見下ろした構図なのだから、当然といえば当然である。
そして語られるテーマも、人と森と狼についてなのだから、空なんて関係ないのだ。
手の届く身近な物が背景でいいのだ。
父親の横顔がリーアム・ニーソンに似てると勝手に思い込んでいるが、まったく関係はない。凄腕のハンター、舞台はアイルランドであることからの連想かもしれない。