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シュシュシュの娘のdaiyuukiのレビュー・感想・評価

シュシュシュの娘(2021年製作の映画)
4.0
福谷市のはずれで暮らす25歳の鴉丸未宇(福田沙紀)は、朝の日課のダンスとちくわを詰めたお昼の弁当が大好物。
ひとり身で、祖父・吾郎(宇野祥平)の介護をしながら暮らしている。
元新聞記者の吾郎が小池市長肝入りの移民排除条例制定に反対しているため、勤務先の市役所では孤立し、ただひとり寄り添ってくれるのは、同じ役所に勤める先輩の間野幸次(井浦新)だけ。
そんなある日、間野が市役所の屋上から飛び降り自殺を図る。
移民排除条例制定の為の理不尽な“議事録文書改ざん”を命じられた末の死だった。
悲嘆に暮れて帰宅した未宇に、吾郎は衝撃のミッションを告げる。
“仇を取るため、改ざん指示のデータを奪え”。
こうして、密かに立ち上がる未宇。愛する間野の仇を取るため、暗雲立ち込める市政に一矢報いるため、福谷市を愛車のスクーターで爆走する。
武器は、“普段から目立たないこと”。だが、その前に思わぬ壁が次々と立ちはだかる……。
コロナ禍の最中、入江悠が苦境に陥った全国のミニシアター救済を目的に、クラウドファンディングで資金調達して製作した自主映画。

テーマになったのは、「森友学園建設関連公文書改竄」「入管局難民死亡事件」。
軸は社会派だけど、作りはあくまでユルい。
それでも「国が公文書改竄しているんだから、地方自治体がダメって言うのはないでしょう」など「お上の言うことだから」と思考停止して不正や自警団による外国人移民に対する排外迫害が蔓延る田舎のイヤな感じが藤井道人監督作品まではいかないまでもしっかり描かれている。
最初は地味で死んだ目をしてる福田沙紀演じる未宇が、戦いの中で次第に覚醒して、移民排除条例制定しようとする小池市長一派を成敗していく「必殺仕事人」的な勧善懲悪リベンジものの展開が、軽みがあるものの痛快なアクションコメディ映画。
「お前には忍びの血が流れている。ヴァイブスを信じろ!」
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