ソラアユム

プロジェクト・パワーのソラアユムのレビュー・感想・評価

プロジェクト・パワー(2020年製作の映画)
3.6
アタシのパワー


5分間だけ特殊能力が使えるようになる新薬“パワー”売買の元締めを追う警察官と元軍人の活躍を描くSFアクション

う〜ん
設定負けした作品だなってのが、率直な感想。あらすじで何それ面白そう!とはなるんだけど、蓋を開けてみれば、予想のやや下を緩くくぐり抜けていくような微妙な作品。

最大の敗因は、“パワー”の設定をイマイチ劇中で活かせなかったこと
みる限り“パワー”の設定は

①特殊能力の使用時間は5分間
②得られる能力はランダム
③偶に、薬に適応できず体が爆散する

くらい。

①について
銀行強盗のシーンは腕時計でカウントダウンしたりと、設定が割と活かされているなぁとか思ってたんですが、以降は敵も味方もあまりこの“5分間”を意識するような場面がない。そういう展開にそもそもならないと言ったほうが正しいのかな。
例えば、敵と自分のお互いが殆ど同じタイミングで“パワー”を飲んで特殊能力を駆使して闘う展開があったとして。「自分は“5分間”を意識していたから何も考えていなかった相手に勝利することができた」といった、誰もが考えられる展開すらやってくれない。

②も、私の勘違いなんだけど毎回服用する度に能力がランダムで使えるようになるのかと思ったら、固定みたい。
まぁそれはいいとして。作中で薬を服用するキャラは大半、既に“パワー”の使用歴があって自分の能力が何か分かっているという、かなりしょっぱい展開。
こういうのって

絶体絶命で仕方なく“パワー”を初めて服用!
→爆散するかも(この緊張感がないから③も全く活かされない)
→成功!能力を得た!一体どんな能力だ?

っていうのが盛り上がる展開でしょうよ。

ま〜コレだけじゃなくて他にも色んな言いたいこと、あります。沢山書いてもしょうがないので一つだけ…

メインキャラとして、ドラッグディラーの女の子が出てくる。アタシにはラップの才能があるって言って、作中何度も披露するんだけどその尺がやたらと長い。これは後半の展開で生きるんだろな〜、仮初の才能である“パワー”と対比して描きつつ、本当の芸で身を助けるって展開来るんだろな〜、と思ったら全くそんな事ないっていう笑

設定とか、アイディアとかは面白いんだけど、それを活かしたストーリーが全然作れてない。まぁ、家で気軽に観る作品としては最適だと思いますが