Maoryu002

僕と頭の中の落書きたちのMaoryu002のレビュー・感想・評価

僕と頭の中の落書きたち(2020年製作の映画)
4.6
料理人になる夢を持つ高校生アダム(チャーリー・プラマー )は統合失調症を発症する。母親(モリー・パーカー)と再婚相手ポール(ウォルトン・ゴギンズ)が治療法を模索する中、アダムは転校生のマヤ(テイラー・ラッセル)と親しくなるが、病気のことを告白できずにいた。

「ビューティフル・マインド」を彷彿とさせつつ、鮮やかな青春ラブコメ要素が気持ちいい良作。

病気を隠している少年に、生活環境に裏のある少女という設定は新鮮ではないけど、コミカルな要素も多く、重いテーマとのバランスがとてもいい。
告解部屋で、全然神を信じてないアダムが神父に恋愛相談するあたりはかなり笑えた。

アダムを演じた「荒野にて」のチャーリー・プラマーがユーモアを持ちつつ繊細で悩ましい役を見事にこなし、「WAVES/ウェイブス」のテイラー・ラッセルも超好印象。好きな映画が「25年目のキス」ってのは趣味が合わなそうだけど。笑
2人のキスシーンが初々しくていい!

後半はかなりリアルで息苦しい展開になって、母親の “私がこんな人生を望んだとでも?” という禁句を放ってしまったところからアダムは崩れ落ちる。

現実には、闇や歪みを受入れてもらうのはとても困難だろうけど、勇気と忍耐力を持って支えてくれる人たちと、病気と向き合う精神力が彼らを救うと信じたい。
この作品の、母親とポールとマヤという3人の組み合わせは奇跡だ。
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