作中にてグッドウィルハンティングが引用され、彼らのような感動的な会話にはならないし、なれないからと視聴してる側に訴えかけるシーンが強く残った。グッドウィルハンティングでは、『君のせいじゃない』と声をかけるシーンが印象的で病気を発症してる彼も同じように、"君のせいではない"けど病気によるどうしようもないことが同時に存在している。セラピーによるポジティブな声かけで解決しない部分があり脳の問題は可視化されないから問題視されにくく社会から頭がおかしい人と見られがち。それでも家族や恋人、心のうちを話せて向き合ってくれる相手に愛されていることを自覚しどうしょうもないことと、向き合い考えていくことが重要。(この病気の原因が何か分からない、治らないというところが怖いなあ。)
これって、統合失調症という病気以外にも性的マイノリティを抱えた人や発達障害を持つ人々にも通じることであり、いわば私はこうです、という言葉での可視化は楽だし自覚すれば異常性から逃れられるけど、その病気が私自身ではないし、結局は己は己、、と難しい。
主人公目線だけで進んでいくので、不安からくる幻覚だったり幻聴の症状がリアリティがありよかった。ポールの、自分は出ていかないと家族を支える父親のデカさ、すごい。