病気を抱えた青年が恋をして自分と向き合って一歩踏み出す青春ストーリー。
青春ものらしくポップな映像表現を使っているけれど、統合失調症の人が見る世界は確かにこんな感じなんだろうな… と思わせてくれる点で、貴重な作品。
自分に見えるものが他の人には見えない、聞こえるはずのものが現実ではない、その恐怖や孤独は、実際はもっと大きいんだろうなあ。
周りの人の支えが温かく、主人公アダムが自分の抱えている闇を他の人に明かそうとするまでの過程には心を打たれる。
重いテーマの作品を、ハードルを下げて見られる秀作だと思う。