1991年。マフィアのラウは警察に潜入する直前に、サムの妻 マリーに依頼されて組織の大ボス クワンを暗殺する。一方、警察学校にいたヤンはクワンの私生児であることが発覚し、退学を言い渡されるが、ウォン警部によって組織に極秘潜入する任務を受ける。ヤンはクワンの跡を継いだ異母兄であるハウの部下として働き始める。
「インファナル・アフェア」三部作の第2作目。
前作の前日譚の物語となっており、ヤンとラウは前作にちょこっと出ていた若き姿での登場ですので、トニー・レオンとアンディ・ラウは出ていません。ちょっと残念。
ボスが殺されて息子が跡を継ぐのですが、コイツが冷静沈着ながらも残酷な奴で、なんだかマイケル・コルレオーネと重なります。そして家族揃ってのパーティのシーンもあったりして、「ゴッドファーザー」に通ずるものを感じました。
前作でもヤンはサムの組織に入る前に色々やっていた と言及していましたが、異母兄の組織にいたんですね。ラウは警察として働きながら、マフィアへ情報を流そうとしたりしてるんですが、サムの妻に密かに想いを寄せています。もちろんヤンとラウもめちゃくちゃ出てきますが、心理描写とかもそこまで強くないし、個人的には今作はウォンとサムにかなり焦点が当てられている気がしました。なので、ヤンとラウの話としてはちょっと弱かったかな と思いました。でもこのウォンとサムの話が中々骨太で見応えありました。警察とマフィアでありながら、それぞれの利益のためにちょっと協力してるような感じもあり、なんか仲良さそうにも見えたりもします。これが前作のような未来が待っているなんて、切ないですね。
前作のような苦悩や葛藤などの濃いドラマ性はそこまでなかったですが、駆け引きメインの抗争は中々おもしろかったです。前作と同様で派手さこそないですが、香港ノワールらしい作風が渋いカッコよさ増し増しにしてくれていました。
トニー・レオンもアンディ・ラウも出てないし、前作を超えることはありませんでしたが、ストーリー展開も骨太でおもしろいし、香港ノワールな作風もめちゃくちゃカッコよくて、見応えは十分にある作品だったと思います。