こんなにガラスのコップを割りまくる映画初めて観た…という第一の感想と、はじまり方が最高すぎてぐっと惹きつけられた。真っ赤なドレス布のドレープのゆらめきとコツコツと歩くヒールの音。そしてエンディングも後ろ姿で終幕。裕福ながら酒を飲み明かし、しかし私の知っているアル中のイメージとはかけ離れたお洒落さ。毎回違った華美な衣装を纏って最高にドレッシーな装いで思い切り人生を謳歌している。誰になんと言われようと自由で自分のことが好きで…そんな風にわたしも生きたい。そして主人公は殆ど喋らないのもよかった。周りの声や説明をしてくれるような謎の3人組の集団によって物語は進む。また、個性的な作りに魅了された。例えばパラパラとノートを捲るような画面切り替えや、目元の切り替えと距離の詰め方。水を窓や鏡に浴びさせるシーンが多くて、理由はわからなかったが濡れている演出って単純に絵としてすきなんだよね、なんだろう。
前半は評価5つける気満々でいたけど、後半が終わるまで長すぎて、ちょっと足りないくらいでもいいんじゃないかなと思ったのでこの点数で。でも大好きな作品のひとつになりました。