ritsukoさんの映画レビュー・感想・評価

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マリとユリ(1977年製作の映画)

3.8

“友情は損得じゃないわ”

結婚なんてほんとうに幸せというのだろうか

熱々のオムレツをフライパンごと窓に投げつけるシーンが印象的
わたしだったら火傷してもいいから顔に熱々のオムレツを投げつけてしまう
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枯れ葉(2023年製作の映画)

3.8

気になる人のことを想いながら食器や花を買う時間の高揚感や豊かさ。冒頭では電子レンジして失敗した料理を捨てたくらい不器用なのに、好きな人へは頑張るの可愛い。ちょっとしたズレで互いにムキになって知らんぷり>>続きを読む

スパイの妻(2020年製作の映画)

4.0

劇中のある台詞が強く残っている。“距離が離れることでこれまで以上に、強く、深く心が通い合う”
決して平和・安心といえない時にも愛はあって、それを信じるか信じないか試されている。結局裏切られたが…幸福で
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霧の淵(2023年製作の映画)

3.6

山々に霧がかかり、緑と白のコントラストは誰しも見惚れてしまう。静寂な日常。そんな山奥にあるひっそりした旅館を営む家族。祖父が姿を消した後、歯車がくるう。物語は曖昧な表現が多く、観た人に委ねるところが多>>続きを読む

悪は存在しない(2023年製作の映画)

4.3

3年前の誕生日、長野へ朝5時に夜行バスで辿り着いた。その日は少し雨が降っており、朝の山は霧に覆われていた。「悪は存在しない」を観終わって、この日の記憶と勝手に結びついた気がして嬉しかった。今日は雑踏の>>続きを読む

アミューズメント・パーク(1973年製作の映画)

-

殆どサイレントなのがここちよかった。流し見で真面目に観ていないけれど、夢の中・幻想みたいなものを映像にするにあたって形にすることが曖昧なものほどむずかしいので良いなぁと思った(浅はかな感想)

猫は逃げた(2021年製作の映画)

3.0

猫の演技力がすばらしいに限る(かわいい)
女優人3人お会いしたことあるひとで個人的に複雑なきもちになった
長回しの4人の対話シーンは少しだけ濱口竜介映画を想起させるような趣きがあった 思い思いをぶつけ
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街のあかり(2006年製作の映画)

3.4

主人公のコイスティネンがオダジョーに似ていてしばらくそう思いながら観ていた

赤の服が映える

騙され悲しみにふけても彼女にこころを奪われてはそばにいてくれるひとに代わりになってもらうことはできなかっ
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愛しのタチアナ(1994年製作の映画)

3.3

ユーロスペースの椅子がきもちよすぎてまどろみの中観た
アキ・カウリスマキはカラーがすきだからモノクロなのに時々ピンクのカーディガンとか花柄とか勝手に想像したものがみえてきちゃった モノクロで台詞がすく
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愛なのに(2021年製作の映画)

2.5

「なのに」って理由があるからつく言葉
愛なのに、◯◯だ。という内容ばかりで、タイトル通りの作品だった。ただ監督がアダルトな映像をよく撮るひとだったみたいで(今泉力哉が監督だとおもってた)個人的には穏や
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過去のない男(2002年製作の映画)

3.8

「時は過ぎ去るけどまたやり直せる」
「君がいればうまくいく」
エンディングの歌詞がまた染み渡る…

記憶を失くして恋をして、また本当の名を思い出してもあのひとのことがすきだって思えるのとてもいいな
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浮き雲(1996年製作の映画)

4.8

40歳を迎えるあたりに失業、職を探すも救いがなく絶望に絶望を重ねてもうだめかと思ったら再会を経て雲の上のような展開が待っているとは。ラスト10分のための映画であった。こんな映画が大好きだな…。

もう
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シェイプ・オブ・ウォーター(2017年製作の映画)

3.5

ストイックなほどに緑で構成された画面で、そこに映える赤の血とラストシーンの服が補色の効果で美しく際立っていた。個人的にあまりグロいシーンが得意ではないので多数の人を痛めつけるシーンにはマイナスポイント>>続きを読む

戦場のメリークリスマス 4K 修復版(1983年製作の映画)

3.9

“わたしは誰のために死ぬのか”
坂本龍一とデヴィッド・ボウイの関係性。言葉をあまり交わすこともなく、瞳で会話するように他人を愛でる。ラストの髪を切り奉納する様が、最後にできるひとつの行為だったか。儚く
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コシュ・バ・コシュ/恋はロープウェイに乗って(1994年製作の映画)

3.4

内戦がおこりつつも、その中に人間の生活の営みが変わらずあって、はからずも恋にも落ちる。安心で閉鎖的な場所があまりないから、ロープウェイでひみつの恋をしたり食卓を囲んだりする。ラストシーンが結構ストライ>>続きを読む

真夜中の虹(1988年製作の映画)

4.0

たまたま出逢ったひとたちが良い人すぎて、こんな人生だったら辛いことも乗り越えられる気がしてきた。やっぱり周りに居るひとたちのことは信じられるひとで、いざというときに手を差し伸ばしてくれるひとがそばに居>>続きを読む

瞳をとじて(2023年製作の映画)

3.7

まどろみの中の3時間だった。ビクトル・エリセ作品に登場する少女の瞳ってどうしてこんなに美しく儚いの?
途中の記憶がうろ覚えだけれど、自問自答するような台詞があってよかった。
わたしたちはスクリーンをみ
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パラダイスの夕暮れ(1986年製作の映画)

4.0

労働3部作鑑賞2つめ。マッチ工場の少女で報われない役をしていた彼女がタバコを吸って勇ましく格好いいわがままな女を演じていて惚れ惚れした。役者はすごいなぁ…壁紙の色と服の色が計算されつくされていて、例え>>続きを読む

カラヴァッジオ(1986年製作の映画)

3.5

ティルダ・スウィントンが絵画に負けないくらいの美しさでふるえていた。その他の人も静止していると本当に絵画のよう。美しすぎて映画館で美術館を味わっているような不思議な体験ができた。始まりも絵の具を塗りつ>>続きを読む

夜明けのすべて(2024年製作の映画)

3.0

三宅監督は、前作の「ケイコ目を澄ませて」がダントツでよかっただけに今回はこちらの点数で。(期待しすぎてしまいました)他の作品と比べるのも良くないし、期待してみた自分も悪いのですが…。PMS症状は私も結>>続きを読む

マッチ工場の少女(1990年製作の映画)

3.9

淡い古着のドクターコートのようなアウターにビビットピンクのヘアゴムが映える主人公 台詞は殆どなく心情を曲が代弁してくれているのがアキ・カウリスマキリズムなのかな。冒頭のマッチができあがるまでの工程もな>>続きを読む

東京画 2K レストア版(1985年製作の映画)

3.8

ヴィム・ヴェンダース監督の、本当に小津安二郎監督への愛が伝わるロードムービー。(愛というか最早オタクの領域)小津安二郎の映画内にある日本が実際に存在するのかと巡る旅。
1983年ごろの日本と今が全く違
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ゴースト・トロピック(2019年製作の映画)

4.0

申し訳ないけれどシャンタル・アケルマンみが強すぎて、第二のアケルマンじゃん…と思いながら観ていた(いい意味で褒めている)冒頭の室内をただただ映して、日が暮れてくらくなる。それをわたしたちに見せる。そん>>続きを読む

Here(2023年製作の映画)

4.0

はじめてのバス・ドゥヴォス。ポスターでかなり惹かれたHere。アピチャッポンみのある映像はなかなかヒーリング効果の高い映画で思わず眠りに誘われるが、頑張って起きて観ていた。様々な苔、植物がクローズアッ>>続きを読む

百花(2022年製作の映画)

2.6

わたしは、よく忘れるんだけど覚えている・覚えていないだけでこんなに悲しくなったり喜んだりできるんだと思った、人間は。

仕方がないけれどちょっと演出や繰り返しがしつこいかなぁ。

市子(2023年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

少し前に、無戸籍のひとたちを救う会を発足している方についての取り組みをYouTubeで見た。わたしは興味を持って動画に夢中になった。生まれて、「普通」に生活ができることの有り難みを幼い頃は全く知らなか>>続きを読む

熱のあとに(2023年製作の映画)

-

試写会にて鑑賞。この映画、橋本愛さん以外につとまらなさすぎる。橋本愛という名前が出ていなくても、橋本愛さんだった。

愛という意味の真髄はどうなのか一言でいえない。豊かな愛も、狂気的な愛もどちらもある
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すばらしき世界(2021年製作の映画)

3.7

パーフェクトデイズを観て、役所広司の演技に惚れ惚れしこちらも鑑賞。西川美和監督のフィルムはいつも綺麗。なんだかこころの奥にひとつの作品が刻まれる気持ちにいつもなる。
目に見えないさまざまな事情を抱えた
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義父養父(2023年製作の映画)

3.7

冒頭、うなぎを食すシーンから始まる。日本の実家感溢れる食卓といういかにも、な場所にて。その図は小津安二郎を彷彿とさせつつ、色の濃さは中国や台湾映画も意識させる。この映画に台詞は少ない。時の変化も、物事>>続きを読む

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.4

〔ネタバレ含む〕試写会にて鑑賞。


主人公はトイレ清掃員。朝起きて支度をし、仕事を真面目に取り組んで寡黙なまま過ごす。帰宅後きちんと整頓、読書をして眠る。淡々とした平凡な毎日の中には彼なりに楽しみが
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渇水(2023年製作の映画)

2.0

映画の言いたいこととずれるけど、水浴びのシーンが正欲と重なる…
何事も渇きはよくない、潤いが大事ってことをいいたいんでしょうか 

<片隅>たちと生きる 監督・片渕須直の仕事(2019年製作の映画)

4.0

「この世界の片隅に」の監督、また、続編についての制作ドキュメンタリー。
アニメーションのサボることのできない手書きの1コマ1コマが本当に緻密で時間のかかること…特に複雑な柄のお着物のイラストレーション
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YARN 人生を彩る糸(2016年製作の映画)

3.3

ドキュメンタリー。箱根の『彫刻の森美術館』にあったカラフルな糸の遊具をつくられた(編まれた)方が急に登場して驚いた。子供に遊んでもらうことで完成するという観点は、服を着てもらって初めて服として成り立つ>>続きを読む

正欲(2023年製作の映画)

3.9

ビターズ・エンド試写会にて鑑賞。

“普通”ってなんだろう。みんな恋人をつくって、結婚して、子どもを産み育てる。そうしないと普通じゃないのか?最近はそのスタイルも少しずつ自由になってきてはいるけれど、
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アアルト(2020年製作の映画)

2.6

アアルト展に行っていれば大体のことはわかるし、ドキュメンタリーはもう少し会話があれば良かったな。美術館の説明ガイドみたいに淡々と流れるから、まばたきしたらわからなくなる。個人的な好みの問題だけど、もう>>続きを読む

朝がくるとむなしくなる(2022年製作の映画)

3.8

朝4時くらいに目が覚めて、こちらの作品を観るのにぴったりだと思い鑑賞。淡々と過ごす日々・狭いアパート・未来の不安・微妙な空気のバイト先・些細な失敗続きの連続
どれも特に20代前半に感じるそれぞれの細か
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