さー

ノマドランドのさーのネタバレレビュー・内容・結末

ノマドランド(2020年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

序盤、より雰囲気に浸るために目を閉じていたので(=快眠)、感想を書ける立場ではないのですが……

主人公ファーンにとっての「家=ハウス」は、亡き夫と暮らした場所のみで、そこから立ち退いた後は、どこか一つの場所にとどまる理由がなくなってしまったんだと解釈した。彼女にとって、安寧を得る場所=ホームは、夫の思い出とともに心の中にあるから、ホームレスではなくて、ハウスレスなんだと。

初めは、「ノマド」に対して、束縛を嫌い自由を求めているのかなと思ってて、それは全く共感できない生き方だし、自由はあっても苦労することの方が多いでしょうと思っていたけれど、何か大きな喪失を感じると、将来について考えながら生きることが、本当につらくなるのかな。「今」出会った人と「今」を生きることが、心地良く感じるように、何かのきっかけで自分もなるかもしれないと、見終わった今は感じる。

いちばん心打たれたのは、スワンキーおばちゃんの語り。この先自分が何十年と生きたとして、「いまこの瞬間に死んでもいい」と思えることが一体何度あるだろう。

ファーンが、自身のことを語るシーンがすごく少なかったから、彼女が黙って座っているのを見ると、「いま何を思っているんだろう…」と考えずにはいられなかったけど、気持ちを読み解けたことは一度もなかった。

ノマドという生き方を選んだ人々のドキュメンタリーか?!と思うほど、出演者の演技がリアルすぎると思っていたら、エンドロールで役名と役者名が同じ人がたくさんいて、そういうことか…ってなりました。
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