ぎゅう

ノマドランドのぎゅうのネタバレレビュー・内容・結末

ノマドランド(2020年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

印象的だったのは終盤のシーンで、
ノマドを支援する活動のリーダー
ボブ•ウェルズが
息子が自殺した話をしたときに、
ふと、取り繕うような笑いを漏らしたこと。

そこで、あ、この人たぶん実在していて、本人で、この話も本当じゃないだろうかと感じた。

全編に置いて映画然としつつも、脇を固めるノマドの人たちの佇まいのリアリティさ。

全体の会話は物語ではあるけれど、こういう人たちや団体は本物を使ってるんだろうなと。

人って自分の悲しい過去話す時、無意識に笑ってしまうことあるよね
———
映画自体はノマドを美化もせず淡々と写していて、自由で、仲間とのつながりもあるけれど、
どこにも属さない、
根を張らない暮らしは
寂しく感じ

主人公ファーンには
新しい家庭に入れるチャンスがあったのに
やはり余所者だと感じたのだろうか
それとも定着が怖いのだろうか
暖かく美しい家から抜け出し
ノマドという選択肢を選んでしまう
ファーンのラストは
前向きな選択というより
選ばざるを得ないという風にも見えて

この映画を通して
ノマドの暮らしに対しての自由や
新しい生き方の道標みたいなものを期待して観た私にとっては
あっけないというか
孤独や不安を増幅させる感じの映画だった。
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