このレビューはネタバレを含みます
印象的だったのは終盤のシーンで、
ノマドを支援する活動のリーダー
ボブ•ウェルズが
息子が自殺した話をしたときに、
ふと、取り繕うような笑いを漏らしたこと。
そこで、あ、この人たぶん実在していて、本人で、この話も本当じゃないだろうかと感じた。
全編に置いて映画然としつつも、脇を固めるノマドの人たちの佇まいのリアリティさ。
全体の会話は物語ではあるけれど、こういう人たちや団体は本物を使ってるんだろうなと。
人って自分の悲しい過去話す時、無意識に笑ってしまうことあるよね
———
映画自体はノマドを美化もせず淡々と写していて、自由で、仲間とのつながりもあるけれど、
どこにも属さない、
根を張らない暮らしは
寂しく感じ
主人公ファーンには
新しい家庭に入れるチャンスがあったのに
やはり余所者だと感じたのだろうか
それとも定着が怖いのだろうか
暖かく美しい家から抜け出し
ノマドという選択肢を選んでしまう
ファーンのラストは
前向きな選択というより
選ばざるを得ないという風にも見えて
この映画を通して
ノマドの暮らしに対しての自由や
新しい生き方の道標みたいなものを期待して観た私にとっては
あっけないというか
孤独や不安を増幅させる感じの映画だった。