リーマンショック不況がきっかけで多くのものを失った人々。その中でキャラバンで仕事を求めて放浪する一人暮らしの中高年者達をフォーカスした映画。
Amazon王国の最下層。
家を出て他の地に移るタイプ、故郷に留まるタイプっていますね。ノマドのファーン(フランシス・マクドーマンド)は出て行くタイプ。
姉は慎重で堅実、妹が早くに結婚して出て行ったのを寂しく思うが愛情は有るし、リスペクトもしている。
孤独、加齢、病気、カネ、車の故障。
助け合い、友情、自然。
全体的に暗い映画だがファーンの何処か吹っ切れた真っ当さと強さが印象に残りました。
憩室炎を機に息子の家に移ったノマド仲間のデイブは一緒に住まないかと誘うが。
岸壁で深呼吸するファーン。
旅が人生になった。
一人花火のハッピー・ニューイヤー。
死んだスワンキーの望み通り焚き火に石を投げ込むノマドたち。
亡夫への深い愛情。高地のエンパイアにある石膏工場の社宅。果てしない砂漠。
自殺した息子の供養でノマドを助ける指導者。
「またいつか」はあるが「さよなら」は無い世界。
Dedicated to those who had to depart ,
See you down the road.
深く心に残るヒューマンドラマでした。
「ザ・ライダー」で感心したクロエ・ジャオ、さすがです。
「シンプル・ブラッド」とか「ファーゴ」で素晴らしい演技を見せたマクドーマンド。
「スリー・ビルボード」は「ムーン・ライト」より賞に相応しいと思ったんですが。主演女優賞は取りましたね。
