ちぃ

ノマドランドのちぃのネタバレレビュー・内容・結末

ノマドランド(2020年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

★4.6 リーマンショックで企業が倒産。そのあおりを受け、ファーンは住む場所と仕事を失う。彼女は思い出を車に詰め込み、ノマドとして旅をしながら生きていく。

始めは、こんな生活もいいなぁとか軽い気持ちで見ていた。
しかし、ファーンが亡くなった夫とのたくさんの思い出を抱えながら、その地その地で仕事を見つけ生活していくのを見て、いつしかいたたまれない気持ちになった。
ファーンが、車の中で昔の写真を見るシーン。この小さな車の中だけに、自分は一生分の思い出を詰め込めるだろうかと切ない気持ちになる。
ノマド同士、友人が出来たからといってそれがそこにとどまる理由にはならない。それぞれが抱えているもの、大切なものが違うから。
静かな音楽と情景は人に考える時間を与えるから、自然と涙が出てしまう。
自ら孤独を好んでいるようなファーンも、彼女と同じように思い出を背負って生きているノマドと心を交わし、自分と同じような人がいることを認識できたことで救われたようだった。
ある程度年を重ねた上で訪れるたくさんの不安を知った人には響くと思う。
ちぃ

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