【ホームレスではなくハウスレス】
ホームとは心の中にあるもの。
家を持たずキャンピングカーで日雇い生活を送る高齢者たちの物語。
格差社会を痛切に訴える映画なのかとみていて思ったが違った。
年齢的に若くないこと、家がないこと、お金がないこと、全てがないことづくし。
とても悲惨でこんな生活はとても自分は送れない、って最初は思った。
けど2回観て感じた。
この人たちは何にも縛られていない。
老後にもお金にも世間体にも。
もしろ彼らの方が自分よりもよっぽど豊かなのではないだろうか。
映画の中で主人公のファーンの姉の家族が出てくる。
姉の平凡な生活(家を持ち変哲もない退屈な日々)が対照的に映し出されていた。
アメリカを縦断するファーンを観て生きることってなんなのかを考えさせられた。
私たちはどこから来てどこに向かいどこに行くのか。
この映画はノマド生活を称賛するっていうわけでも一方で批判するわけでもない。
とても中立的に描かれている。
映像がとにかく美しくそれだけでも観るべき価値はある、それも大スクリーンで!
まさに令和版イージーライダーである。