醤油屋の弟子

ノマドランドの醤油屋の弟子のレビュー・感想・評価

ノマドランド(2020年製作の映画)
3.2
第93回アカデミー賞作品賞です。この作品は、2008年の経済危機により、ネバダ州の小さな町エンパイアで仕事と家を失った女性ファーン(フランシス・マクドーマンド)が、バンで生活しながら季節労働を転々とする姿を描いています。この映画は、アメリカの労働者階級の現実と、現代社会におけるノマド(遊牧民)としての生活を深く掘り下げたものです。

この映画の最大の魅力の一つは、その映像美だと思います。アメリカ西部の広大な風景を巧みに捉え、ノマドの生活の厳しさと美しさが伝わります。自然の壮大さと孤独感を同時に感じられました。これらのシーンはファーンの心情とリンクしており、彼女の内面の葛藤や自由を求める気持ちが映し出されてると感じました。

この映画は構成も非常に特徴的だと思います。明確なストーリーラインを持たず、ファーンの旅を通して様々なエピソードが展開されて行きます。このエピソード形式は、ノマドの生活の断片を積み重ねることで、全体像を浮かび上がらせる手法なのでしょう。私は映画には起承転結が必要だと思ってます。なのでストーリー的にはあまり好きな部類に入らない映画で残念でした。